デイリーマーケットコメントーオミクロン株への懸念緩和で株価上昇、カナダ中銀に注目

投稿日: 2021年12月8日20時33分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 市場はオミクロン株のリスクを楽観視し、市場は楽観ムード
  • 米株価上昇でアジアの株価も上昇、しかしながら米主要株価先物指数の上昇は失速
  • FX市場は安定推移、カナダ中銀の政策会合控え、カナダドルは2週ぶり高値

オミクロン株への懸念緩和で、市場ムード改善

オミクロン株はデルタ株程の危険性はないとの見方が強まり、株式市場は楽観ムードとなりました。オミクロン株はコロナの従来株よりも感染力が強いものの、重症化リスクは低いようです。

現在の所、市場はオミクロン株の危険性が低いという判断を織り込み、ファイザー製ワクチンが他の変異株程ではないものの、オミクロン株への一定の有効性があるという初期段階での研究結果を材料視しています。オミクロン株に有効な治療薬のニュースも、感染拡大による規制強化を回避できる期待に繋がっています。

株価上昇、しかしながら上昇勢いは失速

オミクロン株の感染拡大がホリデーシーズンに大きな打撃を与え、長期間のロックダウンに繋がる可能性は低いと市場は見なしているようです。リスク資産は、先週の安値から回復しました。国債利回りの力強い回復にもかかわらず、昨日には、ハイテク銘柄が中心のナスダック指数は3%も上昇しました。

S&P 500の終値は2%上昇し、ダウ工業株の終値も1.4%上昇しました。中国政府による金融緩和は国内不動産業者による債券問題への懸念を緩和させ、アジア株式市場は上昇幅を拡大させました。

不動産業界だけでなく、中国経済全体を活性化させる為、最近、中国政府は多数の対策を公表しました。今年に入って、中国市場の株安の流れは、アジアだけでなく、世界市場に影響していましたが、本日の中国株式市場は1%以上値上がりしました。

対照的に、人民元は過去数か月底堅く推移しており、本日には対米ドルで3年半ぶり高値まで急騰しました。

欧州株式市場は強弱混合でのスタートとなり、米主要株価先物指数も緩やかな上昇を示しています。

米ドルは横ばい推移、カナダ中銀の政策会合控え、カナダドルは高値維持

本日の外国為替市場では、強弱混合ムードとなりました。今週金曜日の米消費者物価指数発表、及び翌週のFOMC政策会合を控え、市場が若干慎重ムードとなる中、米ドルは明確な方向性を失ったようです。

コモディティ通貨の中で唯一対米ドルで上昇したのは米ドルで、1週ぶり高値0.7143ドルまで上昇しました。

オミクロン株の危険性は高くないとの見方が広がり、今週のリスク通貨は上昇していますリスク改善の恩恵を受けた主要な通貨は、豪ドルとカナダドルでした。

カナダドルは2週間ぶり高値まで上昇後、若干押し戻されました。カナダ雇用統計、及び貿易収支の強い結果、オミクロン株への懸念緩和や原油価格上昇から判断しますと、本日のカナダ中央銀行の政策会合では、楽観的見解が示される公算が大きいでしょう。

GMT15:00には、カナダ中央銀行の金融政策が発表され、利上げ時期の前倒しの可能性を見極める為、市場の注目を集めるでしょう。

ユーロとゴールドは上昇

本日のNZドルは上昇したスタートしたものの、その後には下落に転じました。ポンドの下落幅は一段と大きくなりました。一方、昨日の予想外に上昇したユーロは、本日も底堅く推移しています。

コモディティ市場では、ゴールドが二日連続での上昇となり、1790ドル付近まで値上がりしています。ウクライナ情勢緊迫化がゴールド上昇に繋がったようです。バイデン大統領とプーチン大統領はテレビ電話形式で協議したものの、緊張緩和への道筋は見えていません。