デイリーマーケットコメントーナスダック指数は調整局面に突入

投稿日: 2022年1月20日21時21分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米株価は再度下落したものの、中国政府の利下げでリスクオフ後退
  • 国債利回り低下で米ドル下落
  • ゴールドは2か月ぶり高値更新、ECB議事録、及びネットフリックスの決算発表に注目

市場ムードは緩やかに改善

今週の金融市場は、荒い値動きとなっています。利上げ観測上昇により、株式等のリスク資産が値下がりしました。ナスダック指数の終値は最高値より10%以上値下がりし、調整の局面に正式に突入しました。

国債利回り低下さえも、昨日の株価急落を阻止できなかったことは、注目に値します。リスク回避の動きにより、市場の資金は安全資産の債権に流れています。

本日の市場ムードは、若干改善しました。中国人民銀行が住宅ローン金利の目安とされる5年物の最優遇貸出金利を引き下げました。これを受けて、金融引き締めに動き出す国が出る中で、少なくとも中国は緩和政策を維持する期待が上昇し、市場に安堵のムードが広がりました。

押し目買いは依然として有効?

良いニュースと悪いニュースが混在する中、調整の動きがどれくらい継続するかに注目が集まります。良いニュースは、利上げが自動修正になることであり、既にその局面に到達しつつあることです。

海外の投資家が為替通貨でヘッジする水準まで米国債利回りが上昇すると、国債の需要増加により、利回り上昇が一服し、株式市場が落ち着きを取り戻すでしょう。同様に、急速なペースでの米利上げの公算も小さいでしょう。翌週、大手ハイテク企業が好調な決算結果を発表した場合、株価下落の一服の可能性があります。

市場の状況は悪化しないわけではありませんが、経済の堅調な回復を背景に、中央銀行が金融正常化を進めている為、パニックは起こらないでしょう。一部の市場参加者は、バリュエーションの高い銘柄の押し目買いを狙っています。

外国為替市場は静かな動き、ゴールド上昇

外国為替市場は、全体的に静かな流れとなりました。国債利回り低下により、米ドルは若干下落しました。豪雇用統計の堅調な結果、及び中国政府の緩和政策を背景に、豪ドルは大幅に上昇しました。

一方、コモディティ市場は大きく動き、コロナ終息期待を背景に原油価格は上昇を継続しています。

国債利回り低下、及び米ドル下落の恩恵により、ゴールドの上昇も継続し、昨日には2か月ぶり高値1830ドル越えを達成しました。今週、国債利回り上昇にもかかわらず、ゴールドは底堅く推移し、国債利回りが低下すると、ゴールドは急騰しました。

本日には、ECB議事録が発表されます。通常、ユーロ相場がECB議事録に反応することはありませんが、市場の利上げ観測により、資産購入枠削減への決定に注目が集まるでしょう。米企業決算では、ネットフリックスの決算が発表されます。