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ECB政策会合後、ユーロは2年ぶり安値
昨日のECB政策会合では、インフレ上昇への懸念により、第3四半期での資産購入を終了するという前回のフォワードガイダンスを繰り返されました。その一方で、利上げ開始の明確な時期は示されませんでした。
最近のECBメンバーの発言、及び消費者物価指数の結果により、今回の政策会合において、ECBが量的緩和プログラムの終了時期を明確に示すことで、利上げへの準備を進めると市場は期待していたようです。
しかしながら、ウクライナ情勢による先行き不透明感上昇により、ECBは利上げ開始の最適な時期を見極めたいようです。
ECBの声明発表後、ユーロは急落し、対米ドルで1.08ドルを割り込み、2年ぶり安値を更新しました。記者会見でのラガルドECB総裁は、インフレ上昇、及び経済成長下振れリスクを強調した為、ユーロ安の追い風となりました。
政策会合後のECBメンバーの発言が市場に大きな影響を与えていないことからも分かるように、ECBは、他の中央銀行よりも、スタグフレーションリスクに直面しています。ECB内からの情報によりますと、ECB内では第3四半期での0.25%の利上げで意見がまとまりつつあるようです。
しかしながら、本日のユーロは、米ドル回復の勢いにより、対米ドルで1.08ドル付近で推移しています。
米ドルは王者としての地位維持
昨日の米国債利回り上昇後、今週の米ドルは上昇して終える模様です。グッドフライデーの祝日前に、ユーロ圏国債利回りは上昇し、スプレッド拡大は米国債に有利となり、米10年債利回りは2.8%越えとなりました。
過去24時間で、米ドルインデックスは100.45まで上昇しました。物価上昇による消費への影響の兆しが見られたものの、米3月小売売上高の予想を下回る結果は、米ドル下落には繋がりませんでした。
ポンド/ドルは1.3070ドル付近で底堅く推移しています。一方の豪ドルとNZドルは、2週連続で下落して今週を終える模様です。
本日のカナダドルは、原油価格上昇により、若干回復しました。
EUがロシア産原油の輸入停止を検討し、原油価格上昇
本日のWTI原油先物、及びブレント原油先物は2%以上上昇し、今週の上昇幅を拡大させました。中国国内のロックダウン緩和を受けて、今週の原油価格は3週ぶりに上昇に転じました。
ニューヨークタイムズがEUがロシア産原油の輸入停止を検討していることを報じたことも、原油価格回復に繋がりました。
完全な輸入停止は数か月先となる模様ですが、当面の間、原油価格は100ドル越えが継続する可能性があります。
米株価は下落して今週を終える模様、アジア株価も下落
昨日の米株価下落を受けて、本日のアジア株式市場は株安の流れとなりました。サプライチェーンの遅延への懸念により、アップルやテスラ等の大手ハイテク企業の株価が下落しました。テスラのイーロン・マスクCEOのツイッター買収案も、テスラ株の値下がりの要因になりました。
開場前のツイッター株価は上昇したものの、買収案は拒否されるとの見方により、1.7%値下がりして引けました。
米企業の四半期決算の強弱混合の結果も、米株価の上値を重くしました。国債利回り回復、ナスダック指数は2.1%値下がりしました。
ゴールドマンサックス、モーガンスタンレー、ウェルファーゴ、及びシティグループ等の大手銀行は全て減収となったものの、ウェルファーゴの株価のみが下落しました。
本日と明日は米市場、及び欧州の殆どの市場が閉場となっている為、市場の流動性は低下するでしょう。