デイリーマーケットコメントー米ドル全面高、米企業の四半期決算に注目

投稿日: 2022年4月26日19時23分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米ドル全面高で、対ユーロとポンドで最高値更新
  • 中国政府は元安緩和の方針、香港ドルペッグ制に注目
  • ゴールド下落、マイクロソフトとグーグルの四半期決算発表

米ドル全面高

本日も米ドル全面高の展開となりました。ユーロ圏経済は物価高騰に直面し、中国ではロックダウンが経済成長の鈍化に繋がり、日銀は利上げの方針を示していません。したがって、米ドル高の環境が揃っています。

対照的に、米経済は大きく成長しています。労働市場は堅調で、米国はユーロ圏程のエネルギー危機には直面していません。これにより、米国ではインフレを抑制する為の利上げ環境も整っています。市場の関心は、FRBがソフトランディングを実施するか、或いはハードランディングで景気後退を引き起こすかに集まっています。

昨日のユーロ/ドルは、仏大統領選挙でのマクロン大統領勝利にもかかわらず、下落しました。ユーロ圏経済の見通しへの悲観的見方、急速な米利上げ、及び株式市場の荒い値動きにより、ユーロ/ドルはパンデミック中の安値1.0635ドル付近に向けて下落しました。1.0635ドルを割り込むかに市場の注目が集まります。

外国為替市場全体の見通しと中国

外国為替市場全体でも、米ドル全面高の展開となりました。リスクオンムード、及び英経済失速の兆しにより、ポンドは対米ドルで下落しました。円安の流れは継続していますが、下落は一服したようです。現在の所、日銀よる為替介入観測が円の一段の下落を阻止しているようです。

中国人民銀行は、中国経済失速の兆し、及び人民元安に対応する為、市中銀行から強制的に預かる外貨の預金準備率の引き下げを発表しました。しかしながら、ロックダウン拡大による経済への打撃に対応するには不十分でしょう。

香港ドルは、ペッグ制の下限を試す展開となっています。米国が急速な利上げに向けて動く中、香港経済は失速の兆しが見られ、香港当局はペッグ制を維持すべきかのジレンマに直面しています。ペッグ制を維持した場合、米ドル高が進むにつれて、コストも上昇します。もう一つの解決策は、米国と同様に利上げを実施することですが、不安的な経済状況により、利上げは現実的ではないでしょう。

ゴールド下落、株式市場は米四半期決算に注目

過去一週間のゴールドは下落し、1900ドル台まで値下がりしました。国債利回り上昇、及び米ドル高が遂にゴールド下落に繋がったようです。

イーロン・マスク氏のツイッター買収のニュースが市場ムードを好転させ、昨日の米株価は大きく上昇して引けました。

世界経済の見通しが悪化する中、各国の中央銀行が金融引き締めに動いている為、株式市場のムードは悪化していました。しかしながら、ハイテク銘柄の上昇に支えられ、S&P 500は概ね上昇しました。今週には、殆どのハイテク企業の決算が発表され、米株式市場にとって重要な局面になるでしょう。本日には、マイクロソフト、及びアルファベット等の決算発表が予定されています。ハイテク企業の決算が脆弱な結果となった場合、株価は下落し、3月の安値を試す可能性があります。