デイリーマーケットコメントー経済成長懸念で株価下落、米ドル一段の上昇

投稿日: 2022年4月27日19時24分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米企業決算、及び米経済見通しへの懸念で株価下落
  • 資金は米ドルの流れ、米ドルは対ユーロとポンドで上昇
  • インフレ上昇で豪ドル上昇、フェイスブックの四半期決算に注目

米株価下落

昨日の米株式市場は、再びパニックムードとなりました。経済成長の鈍化、及び利上げによる影響への懸念を背景に、投資家がリスク資産の手仕舞いに動いたた為、ナスダック指数は約4%下落しました。

株安に繋がる明確なニュースがなかった為、大口トレーダーがポートフォリオを一段の下落から守る為に、リスク資産を売却したことが株価下落に繋がったようです。現在までの所、四半期決算は強弱混合の結果となっています。マクロ経済の見通しに慎重姿勢を見せる企業がある一方で、市場予想を上回る四半期決算結果を発表した企業もあります。

現在の米株式市場では、米企業の強い決算結果は株価上昇には繋がりにくい一方で、ネガティブな要因は株安に繋がりやすい傾向となっています。利上げと経済成長の鈍化を控え、投資家はリスクを回避する動きを取っているようです。

ポジティブな面では、市場の慎重姿勢が強まり、FRBのタカ派的見解もピークに達しつつあるようです。市場は、0.5%の連続して4回の利上げを予想しています。その一方で、アトランタ連銀の第1四半期GDPでは、横ばい成長が明らかになりました。中央銀行の論点は、インフレ対応から景気後退回避に間もなく移行するでしょう。

米ドル上昇、ユーロとポンド下落

外国為替市場では、リスク回避の流れにより、資金が米ドルに流れ、米ドル全面高となりました。ロシアがブルガリアやポーランドへの天然ガスの供給を停止したことを受けて、米ドルは殆どの通貨に対して上昇幅を拡大させ、ユーロ/ドルは2020年の安値を割り込みました。

ユーロのネガティブな要因は積み重なっています。物価高騰、及び中国のロックダウンに加えて、欧州の輸出は低下しています。テクニカル指標上での見通し悪化がユーロ相場に反映されるのも時間の問題でしょう。

米ドル高により下落したもう一つの通貨はポンドで、過去3セッションでポンドは3.5%下落しました。ポンドは株式市場の動きに反応しやすいだけでなく、経済成長鈍化により、イングランド銀行が利上げに慎重なる可能性が懸念されています。

豪消費者物価指数上昇、フェイスブックの四半期決算発表

豪第1四半期の消費者物価指数は5.1%増となり、翌週の豪利上げ観測を上昇させました。0.25%の利上げは市場では織り込み済みとなっており、年内残り9回の利上げが予想されています。

豪ドルは一時上昇したものの、その後に再度下落に転じ、上昇幅の殆どを失いました。豪経済は堅調ですが、中国経済失速の兆しにより、積極的な豪利上げの公算は小さいでしょう。豪ドルを取り巻くリスクは下振れ傾向にあります。

本日の米市場閉場後には、フェイスブックの四半期決算が発表されます。メタバース投資、及びユーザー数増加の鈍化への懸念により、今年のフェイスブック株価は急落したことから、本日の四半期決算発表には注目が集まります。

本日には、ボーイング、ペイパル、フォード、及びスポティファイ等の四半期決算も発表されます。