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原油価格下落
本日のOPECプラス会合では、生産目標が決定されます。世界経済が数十年ぶりエネルギーショックに直面する中、OPECプラスの決定が複数の資産に影響を及ぼす為、今回の会合は本年度で最も重要な会合となるでしょう。
最近のOPECの姿勢は大きな変化が見られ、サウジアラビアが原油価格高騰に対応する為の増産に前向き姿勢を示しています。背景にはバイデン政権の動きがあるようです。米中間選挙を控え、消費者の負担軽減の為、バイデン大統領はサウジアラビア訪問も検討しているようです。
OPECプラスには、様々な予測が報じられています。政策変更は協議されていないとの報道がある一方で、今年後半の増産計画も報じられています。OPECが増産をしないなら、増産予想のニュースが報じられることはないとの見方により、今週の原油価格は下落しました。
OPECが遂に原油価格安定に前向きになった兆候は、インフレや景気後退リスク後退、及び中央銀行の利上げペース鈍化に繋がり、株式市場にとってポジティブな要因となります。ユーロ、及び円等のエネルギーに依存する通貨にとっても良いニュースになります。
米ドル上昇、カナダドル横ばい推移、ポンド下落
外国為替市場では、米経済指標の強い結果、及び国債利回り上昇により、米ドル高の流れとなりました。米5月ISM製造業PMIでは、雇用インデックスが低下したものの、新規受注が大幅に伸び、急激な景気後退への懸念が緩和されました。
カナダ中央銀行は利上げを発表し、必要に応じて一段と利上げ余地があることを示したものの、住宅市場のリスクには言及しませんでした。政策会合の結果よりも、米ドル高、及び原油価格下落が材料視され、カナダドル上昇には繋がりませんでした。
ポンドは引き続き株式市場の動きに反応し、一段と下落しました。現在、ポンドは世界的なリスクムードを反映する通貨になっています。
ゴールドとスイスフラン上昇
米ドル、及び国債利回り上昇にもかかわらず、昨日のゴールドは回復し、上昇して引けました。通常、米ドル高と国債利回り上昇はゴールドの下落要因になります。安全資産の需要が再度増加しているものの、米ドル、及び国債利回りが一段と上昇した場合、ゴールドが反落する可能性があります。
国内のインフレの一段の上昇により、スイスフランに再び注目が集まっています。市場では、早くも今月からの利上げ開始が予想されていますが、インフレの一段の上昇は今年後半の利上げの判断材料になるでしょう。スイス国立銀行は利上げの検討を示唆していない為、スイスフランは短期的に下落する可能性があります。
本日に発表される米5月ADP全国雇用者数は、明日の米雇用統計の先行指標として市場の注目を集めるでしょう。