デイリーマーケットコメントー米ドル相場は米雇用統計に注目

投稿日: 2022年6月3日19時33分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米雇用鈍化は今回の統計には反映されない見通し
  • OPECプラス増産発表は市場では不十分と判断され、原油価格は上昇
  • マイクロソフトの業績見通しの下方修正にもかかわらず、株価上昇、ユーロ回復

米雇用統計結果に注目

FRBの利上げ方針の手がかりを掴む為、市場は本日の米雇用統計を注視するでしょう。住宅市場の失速、アマゾンの新規採用者削減、及び失業保険手当申請件数増加等を背景に、労働市場の失速の兆しも見られつつあります。

企業はインフレからの収益を守る為、労働コストを削減しています。この兆しは見え始めたばかりの為、雇用統計に反映されるのは、本日ではなく、夏以降になるでしょう。

米5月雇用統計は、堅調な結果が予測されています。米5月非農業部門雇用者数は32.5万人増、及び失業率は3.5%までの改善が予想されています。一方、賃金上昇は前年同月比で上昇勢いが失速する模様です。

米ドルが上昇するか、下落するかは、本日の米雇用統計の結果が予想を上回るか、下回るか次第となるでしょう。雇用統計発表後の米ドルは一時的に上昇、或いは下落し、数分後、或いは数時間後には、元通りの動きになります。パンデミック以来、米雇用統計の発表後には、このパターンが継続しています。米雇用統計は、以前のようなトレンド形成の要因ではなく、一日のボラティリティ上昇の要因となっています。

OPECプラスの増産計画にもかかわらず、原油価格上昇

OPECプラスは、原油供給不足を緩和させる為、増産を発表しました。7月と8月の増産幅はそれぞれ日量65バレルとなり、従来の40万バレルから大幅に拡大します。

OPECプラスの増産決定にもかかわらず、原油価格は上昇しました。このことから、市場では十分な対応と判断されていないようです。

今回の増産決定は、供給不足の流れを変えるよりも、象徴的な意思表示に過ぎないようです。OPEC加盟国では生産目標割れが続き、余剰生産能力も低下しています。

米株価とユーロ上昇

昨日の株式市場のムードは改善しました。マイクロソフトが米ドル高による収益圧迫を理由に、今四半期の業績見通しを下方修正したものの、S&P500は1.8%上昇しました。大手企業は、米ドル高の影響を受けつつあるようです。マイクロソフトのような大手企業が、今四半期を1か月残した段階で業績見通しを下方修正することは稀です。

FRBがインフレ収束まで利上げを継続する見通しの中、経済のネガティブなニュースは利上げ後退要因となる為、株式市場にとってはポジティブなニュースとなるでしょう。特に米雇用統計発表後には、米ドルと米株価は逆方向に動く傾向があります。

昨日のユーロ/ドルは大きく上昇し、今週の下げ幅を全て回復しました。本日の米雇用統計に加えて、翌週のECB会合により、流動性の最も多いユーロ/ドルペアのボラティリティ上昇は継続するでしょう。米雇用統計発表の数分後には、米5月ISMサービス業PMIも発表されます。