デイリーマーケットコメントーFRBを筆頭に、中央銀行の政策会合がスタート

投稿日: 2022年6月15日19時41分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 本日のFOMC政策会合では、75%の利上げ予想
  • ECBは臨時理事会開催―スプレッド拡大の対応を協議する可能性
  • 政策会合控え、円とポンド下落

FOMC政策会合に注目

本日にはFOMC政策会合がスタートし、今週は複数の中央銀行の政策会合が予定されています。FRBはインフレ抑制の対応を明らかにしている為、利上げ実施は確実ですが、利上げ幅、及び最新のドットプロットでのターミナルレートに市場の注目が集まります。

先週の米消費者物価指数の強い結果後、市場は0.75%の利上げをほぼ完全に織り込んでいます。複数のメディアは衝撃的な動きを示唆していることから、市場ではブラックアウト期間中にFRBメンバーより非公式のアドバイスを得たとの認識が広がっています。

これにより、市場では混乱の動きが強まりました。インフレ抑制のための1%の利上げの必要性が議論されるようになる一方で、0.50%以上の利上げはFRBの信頼、及びフォワードガイダンスの効力消失に繋がるという懸念も浮上しています。FOMC政策会合を控え、ここ数日間は、米利上げ観測が市場を動かす主要因となっています。

FRBが0.75%の利上げを実施した場合、市場の反応は今後の利上げ見通し、及びパウエル議長の発言次第となるでしょう。

総じて、他の通貨がリスク要因に直面する中、米ドル高のトレンドが転換する公算は小さいでしょう。ユーロはエネルギー価格の高騰、円は国債利回り、ポンドは株価の問題があります。

ECB は臨時理事会開催

僅か6日前に利上げを公表したばかりのECBは、市場の現状を協議する為、本日に臨時理事会の開催します。緊急利上げの憶測が広がっていますが、1週間で緊急利上げを実施するほどに状況は変化していない為、可能性は低いでしょう。

したがって、今回の臨時理事会は国債利回り急騰リスクを協議する為に開催されるようです。欧州債のスプレッドの拡大を防ぐ確固たる計画がないことをECBは批判されています。債券危機のリスクに繋がる為、イタリア国債の利回りがドイツ国債利回りを大幅に上回ることは回避する必要があります。

ECBは懸念を排除する為、満期を迎える保有債券の償還資金等を利用したスプレッド拡大を防ぐ対応策に講じる必要があります。エネルギー問題が解決されるまでは大幅な上昇には繋がらないものの、対応策はユーロ高の要因になるでしょう。

円、ポンド、株価下落

世界的な国債利回り、及びエネルギー価格急騰は、昨日の円を対米ドルで20年ぶり安値まで押し下げました。日銀による為替介入への圧力が強まっているものの、日銀のイールドカーブコントロール撤廃は、円安阻止には不十分でしょう。また、今週の日銀の政策会合で、イールドカーブコントロールが撤廃される公算は小さいでしょう。

米ドル高、市場の不安定なリスクムード、経済指標の脆弱な結果により、ポンドはパンデミック以来の最安値を更新しました。経済指標の脆弱な結果を鑑みると、年内計1.9%の利上げは非現実的であり、ポンド安は継続する可能性があります。

FOMC政策会合を控え、国債利回り急騰、及び景気後退への懸念上昇により、株式市場は下落して引けました。本日の米主要株価先物指数は緩やかな上昇を示していますが、今後の値動きは政策会合の結果次第となるでしょう。

FOMCの政策発表前には、米小売売上高が発表されます。今週には、スイス国立銀行、イングランド銀行、及び日銀の政策会合が予定されています。