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原油価格上昇
アラブ首長国連邦、及びサウジアラビア等の原油産出国がほぼ能力上限で原油生産を行っており、増産余力が乏しいことが報じられ、昨日の原油価格は3セッション連続で上昇しました。エクアドル、及びリビアの政情不安定化が一段の需要逼迫をもたらす可能性があり、今月の原油安の要因となった景気後退への懸念よりも、供給不足への懸念が市場で材料視されました。
消費者、インフレ見通し、及び中央銀行の政策への影響を考慮しますと、原油相場の動きは、他の市場に大きく影響します。通貨市場の場合、原油価格高騰は、経済成長が鈍化しているユーロ圏、及び日本の貿易赤字に繋がり、ユーロと円の持続的な回復の可能性は消失します。
株式市場でも同様の動きとなるでしょう。原油価格の高騰が一服した場合、インフレも沈静化し、FRBによる大幅な利上げの必要性も後退し、株価回復に繋がります。特に米国では中間選挙を控えている為、政局にも影響を及ぼします。
エネルギー価格高騰は、米ドルと国債利回りの上昇、及び株価下落に繋がります。一方で、エネルギー価格の下落は、相場転換の可能性が浮上します。したがって、明日のOPEC会合は、原油相場だけでなく、その他の市場にも影響を及ぼす可能性があります。
外国為替市場はレンジ相場
外国為替市場では、原油高の影響により、最近のカナダドルは最も堅調推移している通貨となっています。一方、殆どの主要通貨ペアは、大きな動きはなく、比較的狭いレンジ幅内での取引となっています。
唯一の例外は円で、過去数日間下落が継続していますが、最安値は更新していません。日本は、エネルギーを輸出に依存しています。原油価格高騰、及び観光客の制限により、日本の慢性的な貿易黒字は、最近には貿易赤字に転じたようです。貿易赤字に加えて、日銀による緩和政策の継続も、円安の要因となっています。
ポジティブな面では、円安も最終局面に入りつつあるようです。円安は政治問題に発展し、円安に歯止めがかかる可能性があります。インフレ上昇による日銀の政策転換、為替介入、或いは世界的な景気後退による世界の国債利回り低下が考えられます。いづれの場合でも、円安のトンネルの先には、出口の光が見えつつあるようです。
株価とゴールド下落
米5月耐久財受注の予想外に強い結果、及びアトランタ連銀のGDPナウの上方修正が景気後退懸念を後退させたにもかかわらず、国債利回り、及びエネルギー価格上昇により、昨日の米株価は下落しました。第2四半期終了目前でリバランスの動き活発化している為、市場の動きに関しての明確な結論に達することは困難です。
本日には、主要な経済指標発表は多数予定されていませんが、物価上昇、及び住宅金利上昇の中、米6月消費者信頼感指数は注視されるでしょう。
ポルトガルで開催されるECBフォーラムも、ECBの断片化の手がかりを見極める為、市場の注目を集めるでしょう。ECBは、翌月に南欧の国債利回り上昇によるパニックを回避する対策を明らかにする予定です。