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デイリーマーケットコメントー米ドル上昇、景気後退リスク再燃でユーロ下落

• 景気後退懸念でユーロは下落、米ドルは20年ぶり高値
• 豪中銀の利上げ発表後に豪ドル下落、株価の回復一服
• 米政府の対中関税引き下げへの期待、アジアPMI指数上昇

ポジティブなニュースで市場ムード改善

世界の中央銀行がインフレ抑制に向けて動き始め、米国でインフレピークアウトの兆しが見え始める中、市場での景気後退懸念の強まりを受けて、世界の株価は下落しました。下落が一服し、市場は中央銀行の今後の政策を見極める為の手がかり待ちの為、今月の市場では景気後退リスクが緩和する可能性があります。

下落が一服し、今月は景気後退リスクが若干緩和してのスタートとなりました。天然ガス価格が新たに上昇した為、本日はパニックの動きが広がりました。欧州株価は前半の上昇から下落に転じ、米主要株価先物指数も上昇からスタート後に下落し、本日の米株式市場は緩やかに下落してのオープンとなる模様です。一方、アジア株式市場の終値は概ね上昇しました。

世界の中央銀行がインフレ抑制に向けて動き始め、米国でインフレピークアウトの兆しが見え始める中、市場での景気後退懸念の強まりを受けて、先月の世界の株価は下落しました。中央銀行の今後の政策の手がかりを見極める為、今月の市場は慎重ムードになるでしょう。は景気後退リスクが緩和する可能性があります。

本日には、世界の経済成長はが市場が懸念する程悪化しない期待も浮上しています。上海、及び北京での規制強化にもかかわらず、中国6月サービス業PMIは54.5まで上昇し、11か月ぶり高水準となりました。日6月サービス業PMIも大きく上昇し、8年半ぶり高水準となりました。

欧州6月PMIが上方修正されたにもかかわらず、ポジティブなムードは継続しませんでした。中国東部での感染再拡大は市場の懸念材料となり、本日のCSI300は上値を重くし、終値を下落させました。

新たな展開の可能性？

新たなロックダウンのリスクにもかかわらず、中国への入国時の隔離機関が14日から7日に縮小された為、市場ではゼロコロナ政策の変化に期待が寄せられています。

更に、バイデン政権はトランプ政権時代に決定した対中関税の一部撤廃を検討しています。11月の中間選挙を控え、物価高への対応を迫られています。

衣料等の日用品への関税撤廃、或いは引き下げは、インフレの迅速な沈静化に繋がります。バイデン大統領が関税の一部撤廃を提案したとしても、米議会内、及び民主党内の反対に直面するでしょう。中国側が米中関係改善に前向き姿勢を示さない場合、バイデン政権が関税を大幅に引き下げることは困難でしょう。

市場はポジティブなニュース待ちの為、進展が見られた場合には、米株価が上昇する可能性があります。

米ドル上昇、ユーロと豪ドルは下落

株式市場は急落を回避できたものの、外国為替市場は異なる展開となりました。欧州の天然ガス先物が3月以来の高値まで急騰した為、米ドル、円、及びスイスフラン等の安全資産が上昇しました。

米ドルインデックスは106台を突破し、20年ぶり高水準となりました。

欧州内のエネルギー危機への懸念により、ユーロは2002年後半以来の安値まで急落し、ユーロ/ドルは1.03ドル台を割り込みました。ドイツ、及び他の欧州国でのロシア産天然ガスの輸入停止に加えて、ノルウェーの石油ガス労働者によるストライキも供給懸念に繋がりました。

ポンドも下落したものの、0.50%の下落となり、下落幅はユーロよりも緩やかになりました。カナダドルも緩やかな下落となりました。英6月サービス業PMIが上方修正され、カナダ中央銀行による四半期毎の経済見通しでインフレ上昇の兆しが明らかになったことが、ポンドとカナダを下支えしたようです。

豪ドルはユーロと同様に急落し、オーストラリア準備銀行による0.50%の利上げの発表後、1%以上急落しました。オーストラリア準備銀行は、今後の利上げ方針として、0.25％、或いは0.50%の利上げの可能性を示唆し、0.75%の利上げを期待していた市場参加者を落胆させました。