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米非農業部門雇用者発表控え、市場は慎重ムード
今週は景気後退リスクが若干緩和し、株価が回復しました。しかしながら、先行き不透明感により、市場の慎重姿勢は継続しています。米国、欧州、及び他の地域の経済指標は、一部想定外に強い結果が見られたものの、全体的に悪化しています。
FRBは利上げ方針を継続し、景気後退の回避に自信を見せています。昨日、ウォーラーFRB理事は、「個人的には景気後退に過剰に反応している可能性がある」と発言し、景気後退を懸念していない姿勢を明らかにしました。セントルイス連銀のブラード総裁は、景気減速を景気後退を判断している可能性を指摘しました。
ウォーラーFRB理事もブラード総裁も本年度のFOMCで投票権を保有しており、次回の政策会合での0.75%の利上げを支持しています。しかしながら、最もタカ派寄りと見なされるウォーラーFRB理事とブラード総裁が7月以降の利上げペースの鈍化を示唆したため、米株価回復に繋がりました。ブラード総裁は年内に3.5%までの利上げを支持したものの、2023年での利下げにも前向き姿勢を示しました。
市場が景気後退リスクを継続的に再精査している中、本日の米雇用統計発表には市場の注目が集まるでしょう。米6月非農業部門雇用者数は26.8万人への低下が予想されていますが、米6月失業率は3.6%が継続する見通しです。米6月ISM非製造業景況指数の雇用部門の脆弱な結果を鑑みますと、雇用統計が予想外に悪化する可能性がある為、市場の慎重ムードは継続するでしょう。
米株価は上昇して今週を終える模様
米利上げペース鈍化見通し、及び米10年債利回りが3.0%付近で再度推移していることから、本日の市場には若干の楽観ムードもあります。過去数週間、景気後退への懸念が高まる中、米利上げから米利下げに市場の見通しが移行した為、株安が一服したようです。
しかしながら、インフレが大きく下落した場合にのみ、FRBは利下げに踏み切る模様で、コモディティ相場の動きが反映されています。原油、食糧、及びメタル価格は、6月以降に下落トレンドを継続し、中央銀行による積極的な利上げの必要性の後退に繋がっています。
このことから、最近の国債利回りがコモディティ価格、特に原油価格の動きに反応していることが説明できます。多くのコモディティ価格は、サプライチェーンの混乱よりも、市場全体のリスクムードに影響を受けている為、株式市場でのポジティブな調整の動きに繋がったようです。
米主要株価先物指数は下落を継続し、欧州株価は強弱混合の動きとなりました。昨日に上昇した原油価格は、本日は下落に転じました。ハイテク銘柄が多いナスダック指数は、今週を4%未満上昇して、今週の取引を終える模様です。
アジア市場では、中国政府が2.2兆ドル規模の追加のインフラ計画を発表した為、中国市場の株価は下落して引けたものの、アジア市場の株価は概ね上昇しました。
安部元首相が襲撃で死亡し、円上昇
安部元首相が銃撃されたニュースを受けて、日経平均株価は前半の上昇幅を失いました。安部元首相の死亡が発表された後、安全資産の円と米ドルが上昇し、不安定なムードが一段と強まりました。
日曜日の参議院選挙を控える中、世論調査での自民党の優勢は明らかになっている為、市場には大きな影響はない模様です。
ユーロとポンドは再度下落
米ドルと円が全面高となる中、外国為替市場は株式市場よりもリスクオフの流れが強まりました。ユーロ/ドルは20年ぶり安値を更新し、一時的に1.0070ドルまで値を切り下げました。
しかしながら、最も下落した通貨はポンドでした。ジョンソン首相の辞任を受けて、ポンド/ドルは1.20ドル台を割り込みました。
ユーロ安とポンド安の流れにより、米ドルインデックスは20年ぶり高水準となる107.79まで上昇しました。