デイリーマーケットコメントー米消費者物価指数、及びカナダ中銀の政策発表

投稿日: 2022年7月13日19時55分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米消費者物価指数発表控え、ユーロ/ドルはパリティ付近で安定推移
  • 株価、及びコモディティ価格は再度下落
  • NZ中銀利上げへの市場の反応は限定的、カナダ中銀の政策発表に注目

米消費者物価指数発表に注目

ユーロ/ドルのパリティを試す動きは、ブルとベアがぶつかり合う今週の金融市場全体の動きを反映しているかのようでした。米消費者物価指数が発表後には、現在の膠着状態が変化する可能性もあります。燃料価格、食糧価格、航空券価格、及び賃貸価格の上昇を背景に、米6月消費者物価指数は、前月比1.1%増、前年同月比8.8%増となる模様です。

その他の指標では、インフレの沈静化が浮き彫りとなっています。S&PグローバルPMIは、需要鈍化を受けて、サービス業が販売価格の上昇ペースを昨年9月以来最も緩やかなペースで上昇させていることが明らかになりました。エネルギー含む様々なコモディティ価格の上昇ペースも鈍化し始め、翌月には上昇一服が一段と鮮明になる可能性があります。

更に重要なことは、市場が消費者物価指数のコア指数に注視することでしょう。コア指数は3月以来下落を継続し、下落傾向が継続する場合、インフレ鈍化を市場が認識し、米ドルの利益確定売りに繋がる可能性があります。

株価と原油価格下落

市場全体の流れとしては、経済成長鈍化懸念により、リスクオフムードが継続しました。市場はリスクムードを材料視し、米6月消費者物価指数の強い結果に備えて、株式を売却した為、米株式市場は下落しました。

ソーシャルメディア上において、米6月消費者物価指数が予想を大幅に上回ったという情報が流されました。この情報はデマと後ほど判明したものの、リスク資産売却のアルゴリズムを若干引き起こした可能性があります。

エネルギー市場では、WTI原油先物指数が心理的節目の100ドル台を割り込み、原油価格が急落しました。原油価格に繋がった直接的な要因は明確ではありませんが、中国のロックダウンによる需要鈍化懸念、及び米国とサウジアラビアの関係改善による供給増加の可能性が影響した公算が大きいでしょう。

NZ中銀利上げ、次はカナダ中銀

本日、ニュージーランド準備銀行が市場の予想通りに0.50%の利上げを発表しました。利上げ発表を受けて、NZドルは若干下落したものの、その後には回復しました。

NZドル相場に最も影響する要因は、世界市場のリスクムードになるでしょう。現在の所、景気後退リスクが主要なリスク要因となり、リスクオフムードを強め、コモディティ価格を下落させています。このような状況下において、世界経済の成長鈍化が改善するまではNZドルのリリーフラリーは長続きしないでしょう。

本日には、カナダ中央銀行の政策発表が予定されています。カナダの堅調な労働市場、及びインフレ上昇により、FRBと同様に0.75%の利上げが予想されています。

利上げが完全に織り込まれている為、市場の反応は記者会見の内容、及び最新の経済見通し次第となるでしょう。更に、原油価格もカナダドル相場を動かす要因になるでしょう。