デイリーマーケットコメントー米企業の四半期決算発表に注目

投稿日: 2022年7月26日19時03分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FOMC政策会合控え、外国為替市場は静かな動き
  • ロシアから欧州への天然ガス供給量が従来の80%減で、原油価格上昇
  • マイクロソフトとグーグルの四半期決算発表に注目

FOMC政策会合控え、市場は慎重ムード

本日の外国為替市場は、比較的静かなセッションとなりました。明確な要因は見当たらないものの、米ドルは若干下落し、殆どの通貨ペアは狭いレンジ幅内での取引となりました。

FOMC政策会合、GDP発表、及びハイテク企業の決算発表を控え、市場は新たなポジションは控え、慎重姿勢を維持しています。

経済と需要が急速に鈍化しつつある中、FRBはインフレを抑え込む為の利上げの必要性をバランスを取りながら市場に伝える必要があります。市場は、利上げ停止の判断基準に注目しています。

市場では、9月にも0.75%の利上げが予想されています。経済成長見通し悪化により、FRBが利上げペースを落とす可能性を示唆した場合、米ドル下落に繋がるでしょう。景気後退リスクに直面しているのは、米国だけではありません。他の主要国が米国以上に景気後退リスクにさらされている限りは、安全資産の需要により、米ドルが上昇する為、相場転換には繋がらないでしょう。

原油価格回復

昨日のエネルギー価格は大きく動きました。ロシアがドイツへの天然ガスの供給量が従来の80%減になることを公表した為、昨日の原油価格は5%以上値上がりしました。

今年の冬には、ロシアが欧州への天然ガス供給を完全に停止し、ドイツ等の経済大国への経済が麻痺するリスクがユーロに重くのしかかっています。あらゆる可能性を想定する必要がありますが、天然ガスの供給停止は、ロシアの最終手段でしょう。

欧州は、エネルギーの35%をロシアから輸入しています。ロシアは、エネルギー歳入の70%をEUに依存しています。エネルギーは主にパイプラインを通して欧州に運ばれる為、輸出先をアジアに変更することは容易ではありません。欧州とロシアにとって大きな経済的打撃となる為、欧州側が準備が不十分な時にでもロシアは供給停止に踏み切っていません。

米四半期決算発表に注目

米株価に関しては、ウォールマートの脆弱な決算結果が発表されるまで大きな動きはありませんでした。ウォールマートは、通年の利益見通しを下方修正し、食料品とエネルギー価格高騰による消費への影響を明らかにしました。この発表を受けて、小売業界の株価は下落し、時間外取引でアマゾンの株価は4%値下がりしました。

本日には、マイクロソフト、グーグル、ビザ、コカ・コーラ、及びマクドナルドの四半期決算が発表されます。市場は、ウォールマートとスナップショットの脆弱な決算結果は特定の業種に限定されるのか、或いは企業全体にも見られるのかを見極める為、本日の決算発表と今後の見通しには注目が集まるでしょう。

かなり脆弱な結果が予想されていた為、現在の所、状況は予想程悪化していないと市場は判断しているようです。ハイテク企業の決算結果も予想内となった場合、市場は安堵の動きを見せるでしょう。

本日には、米7月消費者信頼感指数、及び米6月新築販売件数が発表されます。