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FRBはジレンマに直面
昨日、米経済指標の脆弱な結果を受けて、米ドル高の勢いが失速しました。しかしながら、その数時間後、米ドルは下落幅の殆どを回復しました。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がインフレ抑制の為に、金融引き締めの必要性を強調したことも米ドル回復に繋がったようです。
S&Pグローバルのビジネス景況感では経済失速が浮き彫りとなり、米7月新築住宅販売件数の減少も見通し悪化に繋がりました。急速な利上げ、及びインフレ上昇による消費への影響を背景に、企業は需要鈍化を警戒し、新規雇用、及び新規受注を削減しています。
最近の米経済指標は相反する結果となっている為、FRBの判断も困難になっています。S&Pグローバルのビジネス景況感では、経済減速が明らかとなったものの、ISMビジネス景況感では底堅い成長が示されました。インフレがピークに達しても、目標の4倍の水準となっていることから、インフレ抑制が実現したとは言えないでしょう。
したがって、FRBはジレンマに直面しています。市場が翌年の利下げを予想している為、国債利回りはインフレを2%台に押し戻すことはできません。パウエル議長はインフレ抑制の為、利上げ方針が長期間継続すること示すか、或いは経済減速を理由に消極的な姿勢を示す可能性もあります。
外国為替市場と株式市場の注目
米ドル安は長くは継続しませんでした。PMI指数発表後、ユーロ/ドルは上昇したものの、パリティがレジスタンスラインとなり、反落しました。ドル/円は下落したものの、長期国債利回りが上昇して引けたことから、その後再び上昇に転じました。
米経済指標が脆弱な結果となったとしても、米ドルに代わる資産はありません。エネルギー危機の深刻化により、欧州は景気後退に直面しつつあります。ポンドは株式市場の動きで乱高下します。中国の不動産業界のリスクにより、コモディティ通貨は上値の重い状況となっています。
株式市場は再び不安定な動きとなりました。S&P 500、及びダウ工業株は下落し、ナスダック指数は横ばい推移で引けました。最も重要なことはボラティリティ上昇が継続し、リスク回避の兆しが見られることです。FRBが金融引き締めに一段と積極的姿勢を示す可能性に備えて、今週の株式市場は新たなポジションを控える傾向が顕著となりました。
原油価格上昇、ゴールド回復
コモディティ市場では、原油価格が大きく上昇しました。イランとの核合意が実現した場合、供給過多を避ける為、OPECが減産を検討する可能性を一部のメディアが明らかにしたことが原油高に繋がったようです。イラン側は譲歩に前向き姿勢を示していることから、合意間近との見方が市場で広がっています。しかしながら、OPECが減産を検討しない場合は、異なる展開となるでしょう。
米ドル安により、ゴールドも回復しました。国債利回りが再び上昇し、米ドルに代わる資産がないことを鑑みますと、ゴールドが上昇相場に転じたと判断することは時期尚早でしょう。本日には、米7月耐久財受注に市場の注目が集まるでしょう。