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ショックセラピー
先週金曜日、パウエル議長はインフレ抑制の為に高金利を暫く維持する方針を表明し、転換期を期待していたトレーダーを落胆させました。インフレ上昇は全体的に悪影響を及ぼす為、パウエル議長は、景気抑制の期間を維持することになっても、インフレの沈静化を達成させる考えを示しました。
パウエル議長は、1970年代の早急すぎる政策緩和の過ちに言及し、高金利の継続の必要性を強調し、インフレ抑制への強い決意を示しました。したがって、インフレが完全に抑制されるまで、高金利は継続されるでしょう。
パウエル議長が相場転換間近の観測を排除した為、市場は即座に反応し、資金が株価等のリスク資産から米ドルに流れました。
株価、ポンド、円下落
米株式市場では、S&P 500が3.4%値下がりし、本日の主要株価先物指数は一段の下落を示しています。株価の急激な動きの背景には、パウエル議長の慎重姿勢を期待していた一部の市場参加者がポートフォリオの再編に動いたことがあります。
外国為替市場では、最も下落した通貨はポンドと円でした。株式市場の動きに敏感に反応するポンドは、対米ドルでパンデミック時に記録した最安値1.1650ドルまで値を切り下げました。最近のポンドは株価への反応は限定的ですが、株安には大きく反応する傾向があります。
最近の円は金利差に反応する傾向があり、緩やかながらも確実に安全資産の地位を失いつつあります。日本以外の国で国債利回りが上昇する中、日銀のイールドカーブコントロールによって他国との金利差が拡大している為、株式市場のパニックの動きさえも、円の需要増加には繋がっていません。最近のドル/円は、米ドルの要因によって動いています。
インフレの低水準が継続する中、翌月の日銀の政策会合でも、現行政策が据え置かれる公算が大きいでしょう。
米ドル上昇、ゴールド下落
FRBの方針の恩恵は受けた通貨は米ドルでした。本日の米ドルインデックスは、20年ぶり高水準を更新しました。欧州がエネルギー危機に直面し、中国不動産業界のリスクが拡大する一方で、FRBは利上げ方針を継続しています。米ドルに代わる資産はないこと、安全資産の需要増加、及び金利差拡大により、米ドル全面高となっています。
パウエル議長のスピーチ後、ゴールドは下落し、本日も下落が継続しています。米ドル高、及び国債利回りの急騰により、ゴールドは過去1年半のレジスタンスライン1680ドルを試す展開となっています。
本日は、主要な経済指標の発表は予定されていませんが、GMT18:15のブレイナードFRB副議長のスピーチには注目が集まるでしょう。