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米経済指標結果がFRBのタカ派的方針を後押しし、米ドル上昇
本日も米ドル全面高が継続し、米ドルインデックスは20年ぶり高水準を記録しました。本日に米8月雇用統計発表を控え、昨日の米経済指標の強い結果は、次回のFOMC政策会合での0.75%の利上げ観測を一段と上昇させました。
米新規失業保険申請件数は予想以上に低下し、8月の失業は減少しました。米8月ISM製造業景況指数では、雇用、及び新規受注増加により、製造業の緩やかな回復が浮き彫りとなりました。経済指標結果は、堅調な労働市場、及び緩やかな景気回復の兆しを示しています。
本日の最大のイベントは米雇用統計
非常に強い労働市場により、FRBは景気後退の可能性を否定しています。本日後半に発表される米雇用統計は、金融市場で最大の関心を集めるでしょう。米8月非農業部門雇用者数は、前月結果の52.8万人増を下回る30万人増となる見通しです。しかしながら、依然として底堅い水準であり、堅調な労働市場を裏付ける材料となります。米8月失業率は、引き続き50年ぶり低水準と3.5%が予想されています。平均時給は、前年同月比で緩やかに上昇する見通しです。
米雇用統計が予想を上回る結果となった場合、0.75%の利上げ可能性が一段と上昇するでしょう。しかしながら、米雇用統計が予想通りの結果となった場合、米ドルの利益確定売りのリスクがあります。米ドルが一段と上昇するには、米雇用統計が市場予想を上回る必要があるでしょう。
一方、米雇用統計が脆弱な結果となった場合、米ドルは下落する可能性がありますが、相場転換の公算は小さいでしょう。ジャクソンホールの会議では、パウエル議長を含む複数のFRBメンバーは、景気や労働市場の後退に繋がっても、インフレ抑制への強い決意を明らかにしています。そのため、今月の脆弱な結果だけでは、FRBが懸念するとは考えにくいでしょう。パウエル議長は、景気や労働市場の後退は、インフレ抑制に伴う痛みであると明確に述べています。
円とユーロ下落、カナダドル上昇
日本と米国との金利差拡大により、円が大きな打撃を受け、ドル/円は140円台を突破しました。ECBによる0.75%のユーロは円に次いで2番目に大きく下落した通貨で、ユーロ/ドルはパリティ割れとなりました。このことから、ユーロ相場では、インフレ抑制よりも、景気後退回避が重視されているようです。
対米ドルで唯一上昇した通貨は、カナダドルでした。第2四半期GDPが予想を下回ったものの、翌週のカナダ中央銀行の政策会合では、0.75%の利上げの可能性が85%まで上昇しています。
しかしながら、リスクオフムードの状況下では、リスク通貨のカナダドルが安全資産の米ドルよりも上昇する流れは継続しないでしょう。カナダの経済は他国よりも堅調に回復している為、カナダドルは対円、ユーロ、及びポンドで一段の上昇の余地があるでしょう。年初から現在まで、カナダドルは米ドルに次いで最も上昇している通貨です。