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ECB政策会合を控え、欧州のエネルギー危機深刻化
ロシア国営ガスプロムがノードストリーム1の稼働停止延長を発表したことにより、欧州内でのエネルギー不足懸念が強まりました。本日のユーロ/ドルは、0.99ドルを割り込み、2002年12月以来の最安値を更新しました。メインテナンス後、先週土曜日にノードストリーム1の稼働は再開予定でした。しかしながら、タービンのオイル漏れにより、ガスプロムは稼働再開を延期し、ドイツへの直接供給が絶たれることになります。
ロシア側の動きは、G7財務相会合で合意されたロシア産原油の上限設定への対抗措置の可能性があります。どのようにして上限が設定できるかは不透明ですが、ロシアはこの機に厳しい冬に向けて欧州への圧力を一段と強めました。
先週に大幅に下落した欧州の天然ガス価格は、本日には25%以上値上がりしました。この動きにより、天然ガスに大きく依存しているドイツ等では、電気料金が過去最高水準まで上昇することになりました。
今週の政策会合において利上げ実施を予定しているECBにとって、エネルギー危機の深刻化は避けたい課題です。市場では0.75%の利上げも予想されています。しかしながら、大幅な利上げが決定しても、ユーロ圏経済の見通し悪化の中、ユーロが急騰する公算は小さいでしょう。
英次期首相発表控え、ポンド下落
先月のポンドの大幅な下落は、市場での英経済への懸念を浮き彫りにしています。今月も状況改善には繋がらず、ポンドは対米ドルで1.1441ドルまで急落し、2年ぶり安値を更新しました。英国は欧州程のエネルギー危機に直面する公算は小さいですが、英国の双子の赤字が大きな打撃を与えています。
ポンド安のもう一つの要因は、7月以来、英国の次期首相が確定していない中、現職のジョンソン首相が物価上昇危機の対応ができていないことです。本日のGMT11:30には、遂に英国の次期首相が発表されます。
スナク前財務相を制して、トラス外相の指名が確実視されています。指名後、トラス氏は1週間以内に物価上昇危機への対応策を発表する見通しです。
米ドルの上昇継続、株価下落
欧州経済が見通し悪化に直面する中、米ドルは上昇し、米ドルインデックスは20年ぶり高水準を更新しました。先週金曜日に発表された米雇用統計は、FRBの金融引き締めが労働市場の成長鈍化に繋がっていないことが明らかとなりました。これにより、今月のFOMC政策会合では、0.75%の利上げ余地が大きく残されました。
本日のリスクオフムードが10年債利回りを3.20%付近まで押し下げたものの、米ドルは上昇幅を拡大させました。
一方、先週金曜日の米株式市場は下落して引けました。本日の米市場はレイバーディの祝日により閉場ですが、Eミニ先物指数の動きは強弱混合となっています。欧州株式市場は、大きく下落してスタートとなり、独DAX指数が大幅に下落しています。
Oil upbeat on hopes of output cut
コモディティ市場では、ゴールドが先週金曜日の上昇幅を維持し、1710ドル付近で推移しています。市場のリスク回避の動きにもかかわらず、原油価格は大幅に上昇しました。
本日、OPECプラス会合では、今後の生産計画を発表予定です。原油下落を阻止する為、形式的な若干の減産を発表する可能性があります。欧州内での景気後退リスク、及び他の地域での需要鈍化の兆しにより、OPECプラスが現行の生産量を維持した場合、原油価格が再度下落するリスクがあります。