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米8月ISM 非製造業PMIの強い結果は米利上げ政策への追い風
今週月曜日に下落した米ドルは、昨日には再び上昇に転じ、ドル/円は24年ぶり高値を更新しました。
米8月ISM非製造業PMIの予想を上回る結果が米ドル高を加速させました。米ドルインデックスも上昇し、今年前半のGDPはマイナス成長となったものの、米経済が景気後退局面に突入していないことを鮮明にしました。
米8月雇用統計では、失業率上昇にもかかわらず、堅調な労働市場を明らかにしました。米8月ISM非製造業PMIの強い結果は、0.75%の利上げ観測を上昇させました。市場では0.75%の利上げが予想されていますが、翌年の利下げ観測も根強く残っています。複数のFRBメンバーが高金利の継続見通しを示し、クリーブランド連銀のメスター総裁は、政策金利の4%越えを支持しています。しかしながら、市場では翌年5月に3.75%から4%まで上昇後、FRBが利下げ方針に転じると予想しているようです。
金利差拡大で、ドル円が24年ぶり高値更新
今後の米経済指標が予想を上回る結果となり、FRBメンバーがタカ派的姿勢を強めると、米ドルは一段と上昇する可能性があります。金利差拡大により、主要通貨中、円が最も下落する通貨となるでしょう。ドル/円は、金利差を判断する最適の材料のようです。
日財務相が「急速、且つ一方的な振れ」が継続する場合、必要な対応を取ることを発言したものの、金利差拡大による円の需要低下は必然的であり、急激な円安進行の中での為替介入は容易ではないことが予想されます。
高金利政策継続見通しで株価下落
積極的な米利上げ方針継続の見通しが強まる中、米株価は下落しています。利上げは企業のコスト上昇に繋がり、株価は今後下落するキャッシュフローで評価される為、特にハイテク株の価値を下げるでしょう。そのため、昨日は、ハイテク銘柄中心のナスダック指数が最も下落したようです。
主要な中央銀行が利上げに積極的姿勢を示しているだけでなく、世界的な景気後退リスクにより、市場はリスク資産のポジションを削減している可能性があります。欧州は深刻なエネルギー危機に直面し、中国経済は不動産業界の低迷と新たなロックダウン実施で大きな打撃を受けていることから、下振れリスクは一段と鮮明となっています。
中国の追加経済対策見通しにもかかわらず、市場は経済への効果を期待していないようです。本日に発表された中国8月貿易収支は、市場予想を下回る結果となりました。昨日に原油価格が一段と下落したことも、世界的な需要鈍化への懸念を強めました。中国リスクが依然として需要鈍化の主要因となっています。
カナダ中銀が0.75%の利上げ実施、今後の方針に注目
外国為替市場では、昨日に対米ドルで下落したカナダドルは、本日のアジアセッションでは、原油価格の下落にもかかわらず、利上げ見通しが材料視されて、上昇に転じました。
本日、カナダ中央銀行が予想通りに0.75%の利上げを実施しても、既に市場では織り込み済みの為、大きなショックが起こる公算は小さいでしょう。声明文内での今後の利上げ方針に市場の関心が集まる模様です。
政策金利は翌年3月には3.75%となる見通しの為、カナダ中央銀行は今後の利上げペースを落とす必要があるでしょう。しかしながら、今後も積極的な利上げ方針の継続が示された場合、カナダドルが上昇する可能性があります。カナダドルはリスクムードの影響を受けやすいため、対米ドルでの上昇が継続する可能性は小さいでしょう。しかしながら、年初から現在までカナダドルは米ドルに次いで最も上昇している通貨であることを考慮すると、ユーロ、ポンド、及び円に対しては上昇を継続する可能性があります。