デイリーマーケットコメントーECB政策会合でユーロ安、米企業の決算結果で株価下落

投稿日: 2022年10月28日22時00分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • ECBの75%の利上げにもかからず、ユーロ下落
  • 日銀の現行政策維持で円下落
  • アマゾンの四半期決算の低調な結果で株価下落

ECBは慎重姿勢

多数の重要イベントにより、世界市場の緊張感に包まれました。市場は依然として、ECBと日銀の政策会合結果、米GDP結果、及び米企業決算結果を消化しようとしています。

欧州では、インフレ抑制の為、ECBが0.75%の利上げ実施を決定したものの、ラガルド総裁は全体的に慎重姿勢を示しました。ラガルド総裁は経済指標結果が経済減速の兆しを見せ、今後の利上げペース鈍化の可能性を示しました。

今回の利上げ決定において、3名のECBメンバーが0.75%よりも低い利上げ幅を支持していたことが明らかになりました。更に、年内はバランスシート縮小には着手しないことも明らかになりました。ECBの慎重姿勢は、景気が一段と悪化した場合には一段の利上げを断念する可能性として解釈され、最近のユーロ上昇の勢いが若干失速しました。

日銀は現行政策維持

日銀は、世界の中央銀行の動きには追随せず、金利据え置きを決定しました。インフレ見通しは若干上方修正され、経済成長見通しは下方修正され、早急な政策変更の必要性が浮き彫りとなりました。

日銀は、円安要因の国債利回りの上限設定を含む超緩和政策を維持し、賃金の実質的な上昇の兆しが見られた場合のみ政策変更を検討する模様です。賃金上昇が横ばい推移している為、日銀は政策変更の兆しを見せていません。

したがって、円は金利差拡大の影響を大きく受けています。翌週のFOMC会合はドル/円相場に影響を与えるでしょう。金利差が縮小しない限りは、相場転換の可能性は低いでしょう。単独の為替介入は、一時的な効果に留まります。

アマゾンの四半期決算で米株価下落

昨日、米GDPの強い結果、及びユーロ安の流れが米ドル高の追い風となりました。米第3四半期GDPは、前年同期比2.6%増となり、景気後退懸念を緩和させました。

良いニュースは、GDPデフレーターの上昇ペース鈍化がインフレ上昇ペース鈍化を示していることです。輸入低下がGDP計算では成長として反映される為、GDPは必ずしも実質的な成長を反映していません。米ドル高が輸入低下に繋がっていることは懸念材料です。

アマゾンの売上低下は、米ドル高による輸出低下を浮き彫りにしました。売り上げ見通し鈍化、及び消費者の支出低下により、アマゾンの株価は14%下落しました。今週は、ハイテク銘柄が大きく下落し、アマゾン株価の下げ幅は、マイクロソフト、グーグル、及びメタの下げ幅と同水準となりました。

アップルの決算結果は市場予想を上回り、株価下落を回避しました。しかしながら、アップルはマクロ的見通しが悪化しつつあることに警戒感を示しました。本日には、エクソンモービル、及びシェブロンの四半期決算が発表されます。

総じて、強気相場となるには時期尚早です。翌年の四半期決算見通しは、ビジネス景況感、及び企業の警戒感を十分に反映していません。米利上げペース鈍化への期待が市場を支えており、翌週のパウエル議長の発言では、敗北の印象を与えず、12月の利上げ幅縮小余地をどのように伝えるかに注目が集まります。