デイリーマーケットコメントーFRBの利上げ鈍化への期待で株価高騰、米ドル下落

投稿日: 2022年11月1日20時38分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FRBの利上げ政策決定が近づき、市場は意見分かれる
  • 米の堅調なデータに楽観ムード戻り、株価上昇、米ドルは後退
  • RBA25%の利上げも中国のゼロコロナ対策終焉の推測から豪ドル上昇

市場はFRBの方針について両意見分かれる

FRBが本日から二日間の予定で始まるFOMC 会議にて大幅利上げの終わりを示唆するのではないかと注目が集まっています。大手テクノ企業の第3四半期決算報告が景気後退への警告をならしたにもかかわらず、米株式市場には先週、この積極的な金融引き締め政策が一時的に緩和されるのではとの期待が広まっています。

しかし31日、このFRBの政策決定に対しまだ懐疑的な意見も多く、また米国債の利回りが本日若干下落していることからこの期待感もやや陰りが見えています。一方、FF金利先物によると、ターミナルレートが5%弱になるだろうとの見通しで合意しているようです。

この11月のFOMC会議にはかなりの不確実性が残っています。0.75%の利上げは完全に織り込まれていますが、インフレーションだけでなく労働市場でもデータが堅実である場合、パウエル議長がタカ派発言をトーンダウンさせるのかどうかはまだわかりません。今週FRBが利上げ政策に関して方向転換をするとの期待は、FRBの利率を「高率で継続的に」との方針に反するため、リスクがあるといえます。

株価は上昇傾向へ

名目上かつ実質上の国債利回りが最近になって急激に上昇したにも関わらず、今のところパウエル議長はおそらく利上げの鈍化が近い将来行われる可能性を示唆するだけで、これ以上のリスク上昇に歯止めをかけることができると思われます。

米株式先物は欧州市場で上昇しており、31日の大手テクノ銘柄による小規模なセルオフがナスダックを1%下落させたことによる損失の一部を取り戻しました。一方で、エネルギー株はプラスに留まっており、バイデン大統領が石油・ガス会社に対し課税強化を議会へ検討を持ち掛けるとのレポートを一蹴しました。

それでも10月は米および欧州株式市場にとってかなりいい月となり、11月も歴史的に株にはいい月とされており、いまのところはいいスタートをきっているため、リバウンドの延長の兆しの可能性とも言えます。

中国政府が厳格なゼロコロナ政策の終了を検討しているとの未確認のレポートが本日駆け回り、アジア市場もこの勢いに乗る可能性もでてきました。この中国の終わりなき厳格なコロナ対策とともに中国経済の減速が深刻化しており、中国と香港両市場は7月以降下落傾向にあります。ただ31日、上海のディズニーランドと米アップル社のiphoneのメーカーであるフォックスコン社工場のロックダウンによって、株式市場は一時下落しましたが、ハンセン指数は本日著しく反発しており、中国のCSI300指数も大きな上昇を見せています。

米ドル安で、円と他の主要通貨は上昇

中国のゼロコロナ政策の脱却の可能性を受けて、上昇した豪ドルとNZドルは、本日も対米ドルでの上昇を牽引しています。オーストラリア準備銀行のロウ総裁の予想を上回るタカ派的発言も豪ドル高の追い風となりました。先月に利上げペースを落としたオーストラリア準備銀行は、市場の予想通り、昨日には0.25%の利上げを発表しました。その一方で、ロウ総裁は今後の大幅な利上げの余地も残しました。

昨日、ECBのラガルド総裁は追加利上げの可能性を改めて示しました。しかしながら、本日のユーロ/ドルは僅かな上昇に留まりました。今週木曜日にイングランド銀行による0.75%の利上げが予想される中、ポンドも若干回復し、対米ドルで1.15ドル台を試す展開となっています。世界の主要な中央銀行の中で、イングランド銀行は、資産買い入れプログラムで購入した国債を売却する最初の中央銀行となった為、英国債利回りは予想外に安定して推移しています。

米ドル安の恩恵を受けて、円も約1%上昇しました。GMT14:00に発表される米10月ISM製造業PMIは、米経済減速の兆しを見極める為、市場の関心を集めるでしょう。