XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら
・FRBブレイナード副議長発言でやや下落
・ポンドはインフレーションデータと財政計画案に注目
・欧州株価上昇も米株価は下落

FRB発言で米ドルやや下落
昨日、米ドルは他の主要通貨に対し上昇しました。これは、FRBウォーラー理事が将来的な利上げ鈍化の可能性はあるものの、インフレーションに対し軟化の姿勢はとらないと警告したためでしょう。
しかし本日、米ドルはやや後退しています。これはFRBブレイナード副議長が今後の利上げ鈍化の必要性を強調し、インフレーションを抑制するために借り入れコストがどれほど上昇し、最終レベルでどのくらい留まるべきか理事会内で協議していると発言したことによります。
先週10日に発表された米消費者物価指数の伸び減速から、米ドルは強い売りへと移行しました。将来の利上げ鈍化への予想から、他の主要な外貨が対ドルで大きな回復を見せています。ポンドは2月23日に付けた高値から下落トレンドでしたが上昇をみせ、ユーロは対ドルで主要なレジスタンスとなる$1.0095を上回り、カナダドルも対ドル上昇しています。
このため、さらなるデータとトレンドがFRBの利上げ鈍化を決定的にすることで、ドル売りは進行するでしょう。しかし、市場は2023年末までに0.5%の利下げを織り込んでいるため、ドルのリバウンドの可能性もあります。本日発表される10月の米生産者物価指数は、消費者物価指数と比べて率のスライドが小さいため、金利が現在の予想よりもはるかに長く最終レベルにとどまる可能性もあります。そのため、米ドル逆転のシナリオはまだ時期尚早であり、米ドルのさらなる下落は依然としてより大きな下振れ調整と見なされるでしょう。
英インフレーションデータと財政計画発表に注目
米ドル以外では、ポンドが今週注目されます。英国のGDP予想では、英経済は第3四半期に予想以上縮小しており、スナク政府最初の財政計画発表とともに、9月の雇用統計および10月のインフレーションデータに焦点が集まります。
英雇用統計は本日すでに発表されており、失業率が前月比0.1%上昇し、ボーナスを除く賃金はやや上昇しています。しかし、インフレーションは10.1%で推移しており、実質賃金はマイナスを維持し、水曜日のCPIデータによると、インフレーションは10.8%まで加速しており、消費者の苦悩はまだ尽きないでしょう。
イングランド銀行ベイリー総裁は、この間の会見において、高騰するインフレーションよりも景気の後退に警戒感を表しているため、10月にインフレーションが著しく加速したとしても、財政計画発表の数日前に特にイングランド銀行が利上げ路線を変更する可能性は低いでしょう。今のところ、12月には0.5%の利上げをするとみられ、明日の財政引き締め案発表は下振りのリスクを示唆しているため、イングランド銀行の予測を変更することはないでしょう。
このため、ポンドは将来的にさらに売りのリスクを秘めていることになりますが、米ドルもドル売りのプレッシャーがあるため、もっと広い為替市場での市場感情が向上しています。ポンド対ドルのペアは潜在的なポンドの弱さを利用するのには最適な組み合わせではないかもしれません。豪ドルがポンドに比べると広範な市場感情との相関関係がよく、ポンド対豪ドルのほうがいい選択肢の可能性があります。
欧州株価上昇、一方の米株価下落
独国債利回りの堅調な上昇が長期的金融目標を引き上げ、昨日の欧州株式は上昇して引けました。USセッションでは市場の流れが急速に変わり、FRBのウォラー理事の発言も意識され、米主要株価指数の終値は下落しました。
本日のアジア、及び欧州株式市場では市場ムードが再び回復し、米主要株価先物指数は上昇してオープンを示しています。今後に予定されているブレイナードFRB副議長の発言が株高に繋がる可能性がある為、株安トレンド再開を判断するには時期尚早でしょう。
中国政府がコロナ規制緩和に前向き姿勢を示していることも、リスク資産の追い風となりました。しかしながら、新規感染者数が一段と増加した場合、ロックダウン実施地域の拡大余地は十分にあります。市場はFRBのハト派寄り政策を織り込んでいる為、タカ派寄り政策へのサプライズ余地を残します。したがって、最近の株式市場の動きは、一時的な調整の動きの公算が大きいでしょう。