デイリーマーケットコメントー米ドル復活、原油は一段下落、株価は横ばい

投稿日: 2022年11月21日19時45分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 中国コロナ規制強化で米ドルが復活
• 需要への懸念から原油価格下落、ゴールドも下落
• 株式市場は横ばい推移

中国政府コロナ政策強化で米ドル復活へ

今月、米インフレーションの減速とFRB利上げ鈍化の憶測から、米ドルはやや下落傾向にありましたが、本日米ドルは堅調に推移し、安全な投資先として再び復活しつつあります。

先週末中国は、コロナ感染者数の増加に対処するため、いくつかの大都市で感染対策を強化し、ゼロコロナを緩和するという期待は失われました。先日発表された中国政府による低迷する不動産市場への包括的な金融支援策が十分ではなかったこともあり、中国経済が好転するとの見方はまだ時期尚早でしょう。

中国の規制緩和への期待が遠のくにつれ、世界市場ではリスク回避色が強まっています。為替市場で最も下落した通貨は豪ドルとカナダドルでした。豪ドルは中国経済への依存度が高く、カナダドルは世界のリスク心情と密接な相関性があります。リスク回避が広まる中、米ドルが最も上昇しました。

今週の水曜日には、今月初めに開かれたFOMC会議議事録の公開およびS&Pグローバル企業調査が控えています。FOMC政策会合は、米インフレ指標発表前に開催されています。そのため、議事録の内容は現状を反映していませんが、FRB利上げ決意の意図は米ドル上昇の材料になる可能性があります。

原油は下落、ゴールドは後退傾向

先週、原油相場は需要の懸念が順調な供給の兆候を覆したため、大きな損失となりました。世界の燃料需要は減少し続けており、中国のコロナ増加と伴い、ほぼ全てのデータが欧州とイギリスで景気後退が進むと示しています。
原油はOPECが減産計画を発表したにも関わらず、供給面では需要崩壊の見通しを無効にするには不十分でした。また欧州では、来月からのロシア原油禁止に先立ち、精製業者が可能な限り注文を増加したため、原油過多となっているようです。
コモディティ面では、ゴールドが後退傾向にあり、予想を下回った米インフレーション発表後、その利益の一部を失いつつあります。今年のゴールド取引のダイナミクスは今年大きく変化し、ゴールドが伝統的な安全資産から米ドルと米国債利回りの動きを反映する役割になっています。そのため、ゴールドは必然的に金利予想のバロメーターに変わり、価格の決定権をFRBに預けているといえるでしょう。

米株価下落

先週の株価は横ばい推移となりました。市場は、最近の下落が一時的な下落に過ぎないのか、或いはトレンド転換の初期段階なのかを見極めようとしたようです。

株式市場と債券市場は、対極関係になります。株式市場での判断、及び米企業の四半期決算予想が経済のソフトランディングでより一致している一方で、逆イールドは債券市場での景気後退の予想を示しています。

債券市場だけではなく、全ての主要な経済指標は景気後退の兆しを明確に示しています。ビジネス景況感指数は需要鈍化、小売売上高は在庫増加、住宅市場は支払い遅延、消費者信頼感は低下を浮き彫りにしました。バリュエーションが一段と上昇し、翌年の四半期決算予想が経済指標結果を織り込んでいない場合は、株式市場の乱高下は継続するでしょう。