デイリーマーケットコメントーECBタカ派姿勢、米小売売上高は大幅減少

投稿日: 2022年12月16日19時47分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・ECB総裁は引き続き0.5%利上げの必要性を強調
・米小売売上高は予想を大幅に下回り減少
・米ドルは安全資産として上昇
・米株価は景気後退への懸念から下落

ECBは0.5%利上げ鈍化も引締め対策強化

昨日、米ドルは主要通貨に対して上昇しました。ECBタカ派発言のあったユーロでさえ、対米ドルで下落しました。ただ、ユーロは米ドル以外の他通貨に対して上昇しました。

昨日、ECBは大方の予想通り、0.5%の利上げを発表しました。ラガルド総裁は、決定後の会見で、この利上げ鈍化がECBの方針転換ではなく、今後0.5%利上げ継続の可能性が高いとタカ派に徹しました。ECBはまた、来年の3月から債券保有の減少計画も提示し、引き締め政策を強化しました。

今週のFRBタカ派姿勢に市場は懐疑的でした。FRBによるターミナルレート5%以上引き上げ修正に対して、市場はターミナルレートを4.88%あたりと予測し、来年末の0.5%利下げ予測を修正しませんでした。しかし、昨日のECB利上げ決定後、市場は預金金利のピークを2.75%から3%に上方修正し、来年末にわずか0.1%利下げを織り込みました。

米ドル安全資産として上昇

昨日の米ドル上昇は、FRBタカ派発言の影響というよりは、米小売売上高の脆弱な結果を受けて、安全資産の需要増加の結果でしょう。米11月小売売上高の脆弱な結果後、米ドルは下落しましたが、その後持ち返し、上昇しました。
景気後退への懸念が高まる中、米ドルの安全な投資先としての魅力は増幅します。しかし、市場は来年のFRB方向転換を予測しているため、米ドルに代わって日本円やゴールドが安全資産となりえます。そのため、ここ数か月の間、米ドルは上昇したとしても、今年9月にような高騰とはならないでしょう。また、市場はFRBよりもECBタカ派を材料視しているため、ユーロが対米ドルで回復するかもしれません。おそらく弱気トレンドへの防衛ラインは1ユーロ1.08ドル圏内で、市場がユーロ/ドル反転を意識し始め、そのラインを超える可能性もあるかもしれません。

米株価下落、本日12月米PMI発表

昨日、殆どの資産は下落しました。ECBのタカ派的見解で欧州株価は下落し、米小売売上高の予想を下回る結果で米株価も下落しました。この時期は、悪いニュースは株価にも悪いニュースとなり、翌年の利下げ観測上昇でも株売りに繋がりました。深刻な経済への打撃は企業収益も影響し、相場転換が起きる可能性も上昇しています。

悪いニュースが株高要因にならない、またその反対のケースであるかは、本日に発表される各国の12月PMIの結果次第でしょう。3つのPMIは全て縮小が予想されています。サービス業PMIは上昇し、製造業PMIは横ばいとなる見通しです。総合PMIは、47.0から46. 4までの低下が予想されています。PMI結果が昨日の市場懸念を緩和させた場合、株価は若干回復するでしょう。FRBの引き締め政策の効果が十分に出ていない中、全体的な見通しは引き続き悪化しています。

スイス中銀および英中銀、0.5%利上げ発表、原油価格は下落

昨日、スイス国立銀行、及びイングランド銀行は0.50%の利上げを決定しました。スイス国立は追加利上げは示唆しなかったものの、イングランド銀行では追加利上げが示唆されました。イングランド銀行の9名のメンバーの内、6名は利上げに賛成しました。これにより、昨日のポンドは最も急落した通貨となったようです。

各中央銀行の利上げ、及び景気後退リスクの上昇は、原油価格の下落に繋がりました。今週前半の回復にもかかわらず、市場は特に中国の需要低下を懸念しているようです。中国のゼロコロナ政策緩和は原油相場にポジティブな要因ですが、経済活動の完全な再開には時間を要するでしょう。11月小売売上高、及び11月鉱工業生産の脆弱な結果等、中国経済の脆弱な結果が継続しています。