マーケットコメント―ゴールドは最高値更新もその後後退

投稿日: 2023年12月4日19時49分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• ゴールドは最高値を更新後に反落
• 紅海でのミサイル攻撃にもかかわらず、原油安継続
• 明日は豪中銀政策金利発表

ゴールド急騰

本日前半にはゴールドが急伸し、2100ドル台越えを突破して最高値を更新しましたが、その後の利益確定売りにより、若干下落しました。

世界経済が減速し、インフレ鈍化の兆しが見られる中、市場が米金利の引き下げを織り込んだことがゴールド高に繋がったようです。

地政学リスクもゴールド急伸の一因です。中東地域の緊迫化がリスクヘッジとしてのゴールドの需要を増加させ、「新たな冷戦」下における準備高の多様化を進める中国、及び他国の中央銀行による金の買い入れも今年に入ってのゴールド価格を押し上げてきました。

ゴールド価格が素早く戻ったことから、本日の急進はアジア市場前半における流動性低下が影響していたようです。

しかしながら、世界経済の緩やかな減速、ハードランディング回避する為の中央銀行による大幅な利下げ観測を考慮しますと、翌年に向けてゴールドの見通しは明るいでしょう。

OPECプラスによる減産延長や地政学的な懸念も原油価格は続落

一方原油価格は、一連の原油にとっての明るい動きから恩恵を受けられずにいるようです。先週、OPECプラスは原油の大幅減産を決定しましたが、全てのOPEC加盟国がこの自主減産を順守するのかどうかについて、投資家からは懐疑的な見方もあるようです。

週末、紅海において米商船に対してミサイル攻撃がありましたが、エネルギー市場の買いを刺激するには十分ではなかったようです。米国防総省は、米国の軍艦が反撃としてドローン3機を撃墜し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、地域紛争の延長としてこれらの攻撃の責任があることを強調しました。

原油価格は本日、今後の減産見通しにもかかわらず、続落しており、市場が需要の軟化を懸念していること、特に米国の原油生産量が記録的に増加していることから、OPECプラスによる供給削減がバランスをとるのは不十分と見ていることが浮き彫りになりました。

為替市場は静かな展開、豪中銀は明日政策金利発表

為替市場は、経済ニュースが不足し、主要通貨ペアが始値付近にとどまっており、取引活動は静かなようです。先週の金曜日の米ISM制工業景況感指数が軟調となり、また、FRBパウエル議長が今後の利下げについて言及するのは時期尚早と述べたことから、米ドルは方向性がないまま下落しています。

先週、ユーロ安が主要な取引材料となりました。ユーロ圏のインフレ低下により、ECBが来年の利下げを開始する最初の中央銀行となるとの憶測が広まった一方で、株式市場の楽観的なムードがリスクに敏感なポンドを押し上げたことから、ユーロ/ポンドは急落しました。

明日はオーストラリア準備銀行による政策金利の発表が予定されており、注目となるでしょう。豪中銀により利上げの確率を市場はわずか5%であるため、市場の反応は、次回2月の会合での利上げの可能性を示唆するかどうかとなるでしょう。

今週は他にも、水曜日にカナダ銀行による政策金利発表、金曜日に米非農業部門雇用者数の発表があります。