マーケットコメント―日銀高田審議委員の発言で円高、本日の米PCEデフレーターに注目

投稿日: 2024年2月29日19時11分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・日銀の高田審議委員は政策修正が間近であることを示唆
・本日の米PCEデフレーターに焦点
・米株式市場は後退、ビットコインは60,000ドルを突破して急騰

日銀高田審議委員の発言で円高へ

昨日の米ドルは、ほとんどの主要通貨に対して上昇して取引されましたが、本日は、実質的に横ばいか、下落しています。日本円が米ドル対して最も上昇しています。

日銀の高田審議委員は、日本経済の見通しに不確実性はあるものの、2%の物価安定の目標実現がようやく見通せる状況になってきた中、超緩和政策の見直しを検討する必要があると言及しました。この発言により、円高となりました。高田氏はまた、今年の春闘では、多くの企業が前年以上の賃上げを提示しているとも述べました。

日銀は春闘での交渉が、今後の方向性を決定する重要なイベントであることを繰り返し強調しており、この発言から、市場は利上げが間近であると解釈したようです。国内の1月のコアCPI指数が、前年比2.6%と横ばいとなり、物価圧力が証明されたことも円高の要因となったようです。

市場は依然として、6月での0.1%の利上げを完全に織り込んでおり、4月での可能性も76%辺りまで押し上げられました。しかし、3月での会合で、日銀がマイナス金利から脱却する可能性は35%ほどとなっています。

本日の米PCEデフレーターで米ドル上昇となるか

日銀高田氏の発言を受けて、ドル/円は150円台を下回りましたが、依然として重要なサポートゾーンである149円60銭を上回っています。本日の米PCEデフレーターによって、米金利が「より高く、より長く」維持されるとの見解が裏付けされる場合、さらにドル買いとなる可能性があります。

1月の米CPI指数とPPI指数により、インフレが予想以上に粘着性があることが証明されており、本日のコアPCE指数は、FRBがインフレ測定として重要視することもあり、市場の注目となるでしょう。本日はまた、1月の個人所得と個人支出の数値も発表となります。

インフレが上振れとなる場合、市場による利下げ観測も後退するかもしれません。現在、6月での0.25%の利下げは約80%の確率で、年内の合計利下げ幅は約0.82%と予想されており、FRBの予測である0.75%を若干上回っています。したがって、市場の予想金利経路に上振れ調整の余地がまだあることが示唆されています。

本日は、他にもアトランタ連銀によるGDPNowの第1四半期の成長率予測と先週の失業保険申請件数も発表されます。最新のアトランタ連銀モデルによると、3.2%の成長率が見込まれており、本日この数値に近い改定がされ、特に失業保険申請件数が労働市場の逼迫を示唆し続ける場合、FRBは利下げに急ぐ必要はないことが確認される可能性があります。

本日のフランスとスペインのCPI指数速報値は、両国のインフレが引き続き減速しているものの、予想よりも減速していないことが示唆されたことから、本日のユーロは小幅上昇しています。しかし、ドイツの地域的なCPI指数は大幅な減速が示唆されており、本日後半に発表されるドイツ全体のCPI指数でも確認されるかもしれません。

本日のPCEデフレーターを前に米株式市場下落、ビットコインはラリー延長

昨日の米株式市場は、3指数全てが赤字で取引を終えました。ハイテク株の比重が大きいナスダックが最も下落しました。おそらく、本日の米PCEデフレーターを前に、投資家はエヌビディアの決算報告からのラリーからの利益確定に動いたのかもしれません。

ほとんどの企業が決算報告を済ませ、投資家の焦点は、マクロ経済データと金利政策に戻ることになるでしょう。米インフレ圧力の粘着性が証明されると、株式市場はさらに後退する可能性があります。しかし短期的な下落は、本格的な弱気への反転の始まりではなく、単なる調整に過ぎないと判断される場合、AIブームに着目する投資家に、より魅力的なレベルで再び行動を起こす機会を与えるチャンスとなるかもしれません。

仮想通貨では昨日、ビットコインが続伸し、2年以上ぶりに60,000ドルを突破しました。64,000ドルを更新した後下落しましたが、本日は再び回復しました。ビットコインは、ビットコイン現物ETFへの一貫した流入からサポートを受けているのかもしれませんが、仮想通貨の供給を遅らせるべく設定された4月の半減期を控えた憶測からもサポートされている可能性があります。