デイリーコメント ー米ドルは堅調、豪中銀利下げ決定、NZ中銀は明日金利政策決定

投稿日: 2025年2月18日19時41分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 明日公表のFOMC議事要旨を控え、米ドルは安定
• 日銀の利上げ観測の高まりで円は上昇、ユーロは下落
• 豪中銀は利下げに踏み切るも、今後の動きには慎重な姿勢
• NZ中銀は再び大幅な利下げか、焦点はフォワード・ガイダンスに

FOMC議事要旨の公表を前に米ドルは堅調

月曜日の米ドルは主要通貨の大半に対して下落しましたが、トレーダーが明日公表のFOMC議事要旨への準備をしているため、本日は失ったいくらかの下落幅の一部を取り戻しています。

昨日、米国はジョージ・ワシントン前大統領の誕生日(大統領の日)で祝日だったため、重要なデータの発表はありませんでした。しかし、3人のFRB当局者が金融政策について発言をし、そのうちフィラデルフィア連銀ハーカー総裁とボウマン理事は、金利を据え置くことが今のところ適切な戦略だと指摘し、ボウマン理事はトランプ関税に懸念を示しました。唯一、ウォラー理事だけが少しハト派的に見受けられ、「基本的な見方」として、トランプ関税がインフレに与える影響は限られているため、FRBは政策を決定する際に、トランプ関税による影響に制約されるべきではないと述べました。

こうしたことを踏まえ、投資家は明日公表の最新のFOMC議事要旨に注目し、インフレ上昇リスクが顕著になった場合、政策当局者がどの程度、利下げに前向きなのかを探るつもりかもしれません。FF先物によると、投資家は今年、0.40%相当の合計利下げ幅を織り込んでおり、FRBが予測する0.50%の利下げ幅よりもややタカ派的な見方をしています。

日銀は7月に利上げか、ユーロトレーダーはウクライナ和平交渉に注目

昨日、日本のGDPが予想以上の上振れとなり、日銀による年内追加利上げ観測が高まったことが円を押し上げ、最も上昇しました。投資家は現在、0.37%相当の追加利上げを予想しており、次の利上げが7月に実施される確率は80%とみています。

ユーロは、昨日の米ドル下落を活かすことができなかった通貨の一つであり、ウクライナ和平交渉の展開に不安を抱いているため、本日も下落基調となっています。米国とロシアの高官は今週サウジアラビアで会談する予定ですが、ウクライナと欧州諸国はこの会談に呼ばれていません。

豪中銀はタカ派的な利下げを実施、NZ中銀の会合に注目

オーストラリアでは本日、大方の予想通りオーストラリア準備銀行が0.25%の利下げを実施し、独自の緩和サイクルを開始しましたが、今後の利下げについてはより慎重な姿勢を示しました。豪ドルは利下げ決定時に上昇しましたが、直後の上昇分の大部分をすぐに還元しました。オーストラリア準備銀行の今後の方針に対する投資家の期待として、さらに0.40%の利下げが見込まれています。

次の中央銀行による政策決定は、明日のニュージーランド準備銀行となります。0.50%の大幅な追加利下げが予測されていますが、投資家は年内の緩和ペースの鈍化を織り込んでいます。そのため、さらなる0.50%の利下げがNZドルに大きく影響を与える可能性は低く、投資家はフォワード・ガイダンスと経済予測の更新に注目するとみられ、ニュージーランド準備銀行が今後どのように動くかを探ることになるかもしれません。

トランプ関税がニュージーランドの主要貿易相手国である中国に課されたことで、ニュージーランド経済はすでに景気後退に陥っているため、ニュージーランド中銀オア総裁が明日の会合でよりタカ派的となるのは難しいかもしれません。従って、市場の現在織り込んでいる以上の利下げの可能性を示唆する場合、NZドルにとって重しとなる可能性があるでしょう。

祝日後の米先物は上昇示唆

昨日、米株式市場は祝日のため休場となり、トランプ大統領が全ての貿易相手国が相互関税の対象となる計画を改めて示したにもかかわらず、米先物は本日、上昇を示唆しています。トランプ関税の計画は不透明ではありますが、トランプ大統領が4月までに相互関税を課すと示唆したことが、短期的な安心感をもたらしている可能性があるでしょう。