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• 国別相互関税が発動され、リスクセンチメントが再び打撃を受ける
• 中国は104%の関税を課され、対抗処置が待たれる
• 米国株は引き続き厳しい圧力下に、米ドルも苦戦
• ゴールドとビットコインは回復、原油は依然として景気後退への懸念の渦中に
国別相互関税の発動でボラティリティが急上昇
トランプ大統領が相互関税発表をした4月2日以来、極端なボラティリティと独特のリスクオフ反応が市場を支配しています。4月5日に発動された一律10%関税賦課に続き、国別の関税はすでに本日から実施されており、100カ国以上が米国市場への流入に「追加料金」を支払わされる状況となっています。
土壇場でトランプ大統領が交渉の時間を稼ぐために、これらの相互関税を延期するのではないかという期待や一抹の願望は、現実のものとはなりませんでした。興味深いことに、EUを含む多くの国々が、新たに相互関税の引き下げ交渉する用意があるようで、これはトランプ大統領を満足させ、彼に勝利宣言をもたらす可能性もあるでしょう。
NATO加盟国の国防費のGDP比2%という基準を満たしていないなど、さまざまな理由でトランプ大統領からペナルティーを受けているEUを除いて、トランプ大統領の関心は完全に中国とFRBに向けられています。影響を受ける国のほとんどには、報復して当分の間苦痛に苦しむか、トランプ氏の要求を受け入れるかの2つの選択肢があります。中国は報復を選択し、貿易戦争が始まりましたが、その影響は、まだ過小評価されている可能性があります。
中国製品の輸入には104%の関税が課されるため、実質的に価格は2倍になります。中国当局もこれに追随し、同程度の措置を講じる可能性が高く、すでに高官らの会談が予定されています。おそらく、世界は今、恐ろしいトンネルに入ったばかりであり、トランプ大統領が方針を変えない限り、希望を見出すことはできないでしょう。
FRBへの圧力が高まる
一方で、FRBは板挟みの状態にあります。先週金曜日にはパウエル議長の講演があったにもかかわらず、投資家はFRB当局者らの発言が比較的少ないことに疑問を抱いています。そのため、特に金曜日以降、中国の関税引き上げにより状況が変化しているため、FRBが積極的に発言するよう圧力がかかっています。今夜発表されるFOMC議事要旨、そして何よりも明日発表される米消費者物価指数(CPI)によって、FRBの姿勢がより明確になるかもしれません。
当然のことながら、トランプ大統領はFRBがよりハト派的なスタンスをとり、早期の利下げに踏み切ることを歓迎するでしょう。ニュージーランド準備銀行は本日0.25%の利下げを発表し、前途を示しました。NZ中銀は、関税、成長見通しの下方修正、CPIの目標達成により、今年中のさらなる追加利下げの可能性も残しており、市場では12月までにさらに0.90%の利下げが織り込まれています。
市場の混乱は続く
昨日の取引では、米株式強気派が大きな損失の一部を取り戻そうと試みました。しかし、市場のリスクセンチメントが比較的向上したものの長続きせず、まだ回復への十分な条件が整っていないことを示唆しています。強気派の試みは今後も続くと見られますが、たとえトランプ大統領が数時間静観とするという形であっても、株価回復にはリスクに前向きとなるニュースが必要です。
米株式市場は下落の影響を強く受けており、S&P500指数は4月にすでに11%下落しており、これは2020年3月以来となる月間での二桁の下落です。セクター別に見ると、テクノロジー株を除き、エネルギー、素材、金融関連株が最も大きな下落を記録しています。一方で、公益事業や消費関連株といったいわゆる景気動向に影響されにくいディフェンシブ銘柄は、比較的小幅な下落にとどまっています。
ユーロは米ドルに対して上昇を再開し、現時点では1.1050近辺で推移しています。米ドルは円やスイスフランといった伝統的な安全通貨に対しても下落していますが、豪ドルやNZドルといったリスク関連通貨に対しては大幅な上昇を記録しています。
最後に、ゴールドはここ2日間の軟調な動きを振り払い、本日は徐々に上昇しています。これに連動して、ビットコインも上昇しているようです。しかし、米経済の景気後退への懸念が高まり、OPECプラスが石油増産計画を実行すると思われることから、原油価格が58ドルを下回った水準となっていることはより重要となります。