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• 12日間の戦闘の後、イスラエルとイランが停戦合意
• リスク選好の動きが強まるも、再び米ドル安
• 原油は直近の上昇幅を帳消し、ゴールドも下落
• FRBのハト派が利下げを推進する中、本日はパウエル議長の議会証言に注目
米国参戦からわずか3日で停戦に
イスラエルとイランの対立に米国が参戦し、イランの主要な核施設3カ所を攻撃した日曜日の出来事と、イランが中東の米軍基地に報復攻撃を行った昨日の出来事の後、情勢は予想外の展開を見せ、イスラエルとイランが12日間の戦闘の末に停戦に合意したというニュースとなりました。
最も多くの死傷者と被害を被ったイラン側は、直前までいくらかのを攻撃を行ったにもかかわらず、イラン外相は停戦の開始を発表しました。しかし、どちらか一方がこの合意を完全に遵守しない可能性も十分にあり、これが再び新たな攻撃を引き起こす可能性もあります。
日曜日に行われたイランの核施設への攻撃による実際の被害規模や、月曜日のイラン外相のモスクワ訪問を受けてのロシアの停戦への関与、そしてトランプ大統領が月曜日に行われたカタールにある米軍基地への攻撃について、イランから事前に通告があったことに対して感謝の意を示したことなど、最新の出来事にはいくつかの疑問が残ります。とはいえ、最近の動向は明らかに市場にとってリスク選好度を高めるものと言えるでしょう。
市場のリスクオン反応
日曜日の米国による攻撃に対するイランの冷静な反応の予想や、イランとイスラエルの停戦発表を受けて、米株式指数は上昇しました。S&P500は2月21日以来の高値まで快調に上昇し、史上最高値である6,147ドルに迫る勢いです。同様に、ビットコインも上昇しており、10万5千ドル付近を推移し、仮想通貨市場の上昇を牽引しています。
ゴールドは現在下落しており、12日間にわたる戦闘中も上昇することができなかったにもかかわらず、3,220ドル付近に迫り推移しています。注目すべきは、本稿執筆時点で原油が66.90ドル前後で取引されていることです。わずか2セッションで最近の2桁台の上昇分を帳消しにしており、昨日の日中の14%の下落は2022年3月以来の下げ幅となりました。
市場の注目は関税とFRBに移る
最近の控え目な安全資産への資金流入が弱まり、米ドルはイスラエルとイラン紛争前の下落基調に戻りました。ユーロ/ドルは再び1.16を超え上昇し、直近の調整分を完全に帳消しにしています。これは停戦が維持されることを前提に、市場の関心が関税や各国の中央銀行の動向に移っているためです。
世界の紛争危機を救った後、トランプ大統領はこれまでのところ合意した貿易協定はわずか1か国のため、不十分な貿易協定合意に対処する必要に迫られるでしょう。「相互関税」の上乗せ分の停止期限の7月9日が間近に迫る中、この期限の延長はほぼ確実と思われます。
興味深いことに、本日は4人のFRBメンバーが発言する予定ですが、投資家の関心は本日行われる米下院金融サービス委員会での半期に一度のパウエルFRB議長の金融政策報告に関する議会証言に集まりそうです。水曜日は上院銀行委員会でも同様に議会証言が行われる予定です。
政策当局者らは関税問題が落ち着くまでの夏の間は、金融政策を安定的に維持する方針に自信を持っているようであったため、前回のFOMC会合では予想通り金利を据え置きました。しかし、FRB内部には亀裂が生じつつあり、ハト派寄りのメンバーたちが早期の利下げを公然と主張し始めています。先週金曜日にウォラーFRB理事が「FRBは7月の次回会合で利下げを実施すべきだ」と発言したのに続き、昨日はボウマンFRB副議長も「インフレ圧力が抑制されたままであれば、7月の利下げを支持する」と述べ、同調する姿勢を示しました。
トランプ大統領が引き続きパウエル議長を非難し、米政権が直面している金利コストの上昇についての責任も押し付けていることから、FRB内部の緊張は今後さらに高まる可能性があります。パウエル議長は、本日の証言でこのFRB内の意見の分裂やトランプ大統領の姿勢について質問される可能性が高いですが、金融政策の分析に焦点を当てた発言を貫くと見られています。ただし、関税問題が進展していないことが、FRBの政策金利への見通しに不透明感を与えている点には言及する可能性があるでしょう。