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• トランプ大統領、ウクライナ・ロシア戦争終結のため関税を交渉手段に
• 米国の決算報告が本格化する中、リスクオンのセンチメントは維持
• 本日の米CPIに注目、7月のFRBの金利据え置きを確定づける可能性も
• 暗号資産は大規模な利益確定売り、原油は重要なレジスタンスラインを試した後に下落

関税は万能薬となるのか
最近更新された関税率が発効すると見られている8月1日の期限が刻々と迫る中、トランプ大統領は現在、ウクライナとロシアの紛争を終結させるための手段として関税を利用しています。これまでロシアのプーチン大統領に対して好意的だった姿勢は昨日一転し、トランプ大統領は、50日以内に和平合意が成立しなければ、ロシアの輸出品に対して100%の関税を課すとともに、ロシア産原油を購入する国々にも二次的な関税を課すと脅しました。同時に、ウクライナにはさらに多くの武器が送られ、ロシアの航空機を標的とするパトリオットミサイルも含まれるそうです。
トランプ大統領の努力が再び無駄なものとなるかは時間が経たなければわかりませんが、ロシアへの圧力を本格的に強めたのは今回が初めてです。まだロシアからの反応は出ていないものの、トランプ大統領の発言がプーチン大統領を怒らせていることはほぼ間違いないでしょう。50日以内に和平合意を実現するのは非常に難しい要求であり、特に、原油価格が昨夜一時的に66.70ドルまで下落したとはいえ、依然として堅調な水準にあることを考えると、なおさらです。
リスク市場は不屈の姿勢を維持
市場はこうした動きをほとんど気にしておらず、本稿執筆時点で米ドルはやや下落しています。現在、ユーロ/ドルは直近の安値に非常に近い1.1680付近を推移しており、7月1日に記録した高値である1.1829からはわずか約150pipsしか下回っていません。とはいえ、7月初旬以降、米ドルにとっては比較的良好な状況が続いており、主要通貨に対して好調に推移しています。具体的には、7月のドル/円は2.5%、ポンド/ドルは2.2%の変動があり、いずれも米ドル高となっています。
一方で、投資家が引き続きAIブームの波に乗り、次の決算発表シーズンもすでに始まっている中、S&P500とナスダック100の両指数は月曜日にそろって史上最高値を更新しました。本日および明日には、複数の米国銀行が決算を発表する予定であり、来週には重要なハイテク企業の決算が控え、Googleの親会社であるアルファベットも、7月23日に決算を発表する予定です。
注目すべきは、ビットコインが月曜の朝に機関投資家の需要と、今週中に下院で可決される見通しの「GENIUS法案」に後押しされて、史上最高値となる123,104ドルを記録した後、暗号資産市場が一息ついているように見えることです。ビットコインはその後はやや落ち着き、原稿執筆時点では117,000ドルで取引されており、7月に入ってからは9%上昇、2025年では25%という大幅な上昇となっています。興味深いことに、最近のビットコインの上昇にもかかわらず、イーサリアムとソラナはどちらも2024年の高値を大きく下回ったままです。
FRBの懸念はあらゆる面で
FRBが依然としてトランプ大統領からの即時利下げの要求に応じていない中、トランプ大統領は引き続きパウエルFRB議長を批判し、彼の信用を失墜させるため名指しでの非難を続け、さらには2026年5月15日の任期満了を待たずに辞任させようとしています。トランプ大統領が現在の戦略を一時停止する可能性は低いですが、FRBは引き続き物価安定と雇用の最大化という2つの使命に集中しつつ、関税をめぐる混乱への対応を進めています。
重要なのは、本日12:30(GMT)に発表される6月の米消費者物価指数(CPI)で、エコノミストは総合インフレ率が前年比2.7%、コアインフレ率が前年比3.0%にそれぞれ加速すると予想していますが、やや下振れサプライズとなる可能性も無視できないでしょう。予想通りインフレの加速が確認される場合、これが短期的に米ドルを押し上げ、7月30日会合でのFRBの利下げ観測は払拭されるでしょう。注目すべきは、本日の米CPI発表後、FRBで投票権を持つメンバーでありハト派とされるボウマンFRB副議長、バーFRB理事、コリンズボストン連銀総裁の3人が発言する予定であることです。
最後に、中国からのいくらかの明るいニュースもあります。中国の2025年第2四半期のGDPは前期比で1.1%、前年比で5.2%の成長となり、予想をわずかに上回りましたが、第1四半期の数値はやや下回っています。関税問題や長引く国内問題を考慮すれば、特に6月の中国の小売売上高と鉱工業生産が低調であったことを踏まえると、今回の結果は満足できるものだと言えるでしょう。豪ドル/米ドルは小幅に上昇しており、重要なレジスタンスラインで奮闘しています。