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・トランプ大統領がクック理事の解任を要求、FRBの独立性が再び脅かされる
・米ドルは下落後に反発、米長期利回りは小幅上昇、ゴールド上昇
・FRB議長の発言による株価上昇が後退し赤字に、金曜日のPCE指数に注目
・仏政権崩壊危機でユーロ下落

クック理事解任要求で、FRBは法的闘争に巻き込まれるか
トランプ大統領は昨日、自身のソーシャルメディア・プラットフォームにてFRBクック理事の解任を告げる書簡を投稿して理事を脅しました。書簡では、住宅ローンの申し込みにて虚偽申告の疑いがあったとし、解任に「十分な理由」となるとして解任を要求したようです。
トランプ大統領は、パウエル議長の解任、もしくは議長の決定に影響を与えることができず、FRBをコントロールできなったことから、今度は理事会の再構築に焦点を切り替えたようです。クーグラー理事の予想外の辞任を受けて、トランプ大統領指名のミラン氏が後任となったことで、7人で構成する理事会をもう一人空席とすることで、4人目のハト派理事を任命して、意思決定機関のバランスが自分の有利となるように大きく変化させることが可能となります。
トランプ大統領は内部からFRBへの影響力を持つ機会と見出しており、絶え間なく手段を伺っています。しかし、クック理事に対する疑いが立証されるかはまだ未定で、2022年に前バイデン大統領に任命されたクック氏が反論せずに辞任するとは考えにくく、トランプ大統領の権限についても疑問が残ります。
この論争は、FRBとホワイトハウスとの間の厄介な法的な戦いとなる模様を呈しています。しかし、クック理事にとって有利な法的訴訟となるとしても、裁判所の判決まで理事会に参加することができなくなる可能性もあります。またさらに重要なことに、FRBの独立性が再度脅かされており、これが今朝の市場が不安定となっている理由です。
米ドルは安値から反発、債券市場に警戒感
このクック理事解任要求のニュースを受けて、本日のアジアセッションの前半にて米ドルが下落し、米株先物もまた下落しましたが、安全資産であるゴールドは上昇しました。しかし、米ドルはその損失分をほぼ取り戻しており、トランプ大統領の行動の合法性についての疑念から、今のところ市場は反応を抑制している可能性もあります。長期利回りが小幅上昇しているものの、短期利回りは若干低下しており、当面のリスクは米国債利回りへの影響となります。
トランプ大統領が把握していないように見えるのは、たとえFRBの実権を握って金利を低下させるとしても、FRBの独立性を軽視し、信頼性を傷つけることが長期利回りを低下させるよりも上昇させ、その結果、米政府の借入コストが上昇する可能性が高いということです。
債券市場は政治的な失態を容赦しない可能性があり、トランプ大統領がいつも思い通りに物事を遂行するとなると、結果的に痛い目に合うかもしれません。
仏政権崩壊危機で不安定なユーロとフランス債
フランスでは、バイル首相が大幅な予算削減案を決定する9月8日に信任投票を実施すると発表したことで、本日のフランスの債券市場では10年債利回りが3月以来の高値まで上昇し、ドイツの国債利回りとの差が拡大しています。
フランスはユーロ圏の中でも最大の財政赤字を抱える国の一つですが、マクロン大統領による少数派政権は、他の政党からのサポートがない中、待望の改革案の可決に苦戦しています。
ユーロには本日前半に多少の圧力となりましたが、ポンドと日本円に対しては下落しているものの、米ドルに対してはある程度のサポートを取り戻しています。
一方、オーストラリア準備銀行が本日、今月の政策会合の議事要旨を発表し、今後の利下げについても議論されたことが示唆され、豪ドルもまた本日いくらか下落基調となっています。
より広範な視点から言うと、主要通貨ペアのほとんどは横ばいで取引されており、金曜日の米PCEインフレ指数が9月以降の追加利下げの可能性についての手掛かりとなるまで、この傾向は継続するでしょう。
株価は赤字に
一方、株式市場では明日のエヌビディアによる第2四半期の決算報告によって方向性が示唆されるでしょう。投資家は企業によるAIへの巨額投資とエヌビディアによる中国への輸出問題について再び疑問視しており、ハイテク株は市場のわずかな失望感に繊細に反応する可能性があります。
先週のジャクソンホール会議でのパウエル議長のハト派への転換による当初の前向きなムードが早急に後退し、米株価主要指数は昨日のセッションを赤字で終え、世界的な株式市場もまた本日苦戦しています。トランプ大統領がデジタル課税を課す国々に対して、追加関税を課すと脅したことも市場のセンチメント向上に影響を与えています。