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・米雇用者数は今年3月までの12カ月で80万件ほど下方修正か
・予想以上の大幅下方修正の場合、来週0.50%の利下げ確率が高まる可能性も
・ハト派FRBへの期待で国債利回りと米ドル低下、株価とゴールド上昇
・仏バイル首相辞職後、ユーロとフランス債は控えめの反応

米ドルは引き続き下落基調
米労働市場の健全性について懸念が広がる中、FRBがもっとハト派に傾くのではとの市場の期待から、本日の米ドルは主要通貨に対して7か月ぶりの安値近くまで下落幅を拡大しています。金曜日の米非農業部門雇用者数が予想を下回ったことを受けて、本日はBLS(労働統計局)による雇用者数の年次改訂の発表があるため、米労働市場が再度焦点となるでしょう。
この改訂の対象時期は2024年4月から2025年3月までとなるため、来週のFOMC会合の直接的な影響を与えるには多少古いデータとなりますが、FRBは新しいドットプロット予測を想定する上であらゆるデータが必要となる可能性が高いでしょう。
最近の月間雇用者数の信頼性問題によって、FRBが後手に回っているリスクが高まっています。アナリストらは、3月までの12カ月間での雇用者数が、以前の予想よりも80万件減少に下方修正されると予想しています。ここ数か月での雇用者数の減少が始まった時期が早ければ早いほど、今月のFOMC会合にてFRBがハト派的な利下げに踏み切る可能性が高くなります。
本日の雇用者改訂が予想を大きく下回る場合、明日の米PPI(生産者物価)指数と明後日のCPI(消費者物価)指数の上振れサプライズを相殺する可能性があります。市場は既に年内に3回目の利下げがある確率を80%に織り込んでおり、来週のFOMC会合での0.50%の利下げ確率をほぼ10%と見ています。
国債利回り急低下でゴールド急騰
国債利回りが最近の債務問題への不安から恩恵を得た分以上に下落しているため、FRBによる大幅利下げの可能性の高まりは、債券市場にとっては絶好のタイミングとなりました。米10年債利回りは4月以来の低水準となる4.0%を若干上回った水準まで低下しており、米ドルの圧力となっていますが、ゴールドにとっては追い風となっています。
本日のゴールドは3セッション連続で最高値を更新しており、日中最高値の3,659ドルを更新しました。9月に入ってからまだ10日も経っていませんが、ゴールドは既に今月5.7%も急騰しており、またシルバーも同様な上昇となっています。
このゴールドの上昇は、FRBが早急に緩和サイクルを再開するとの期待が背景にあると理由付けるのは簡単ですが、この上昇トレンドを強調するいくつかのリスクも存在します。地政学上の緊張と関税戦争、そしてFRBの独立性への懸念もしばらく問題化していますが、現在、新たにフランスと日本も政治危機にも直面しています。
フランスの政治危機もユーロは安定
大方の予想通り、フランスのバイル首相が昨日の信任投票で敗北し、予算削減案への議会の支持を得られないまま辞任に追い込まれました。マクロン大統領は数日中に新首相を任命すると示唆し、解散総選挙の可能性を否定しました。しかし、新首相が潜在的な債務危機の救済処置である待望の歳出削減案を可決することができるかは大きな疑問であり、新たな選挙は避けられないかもしれません。
しかし、今のところ、米国債の上昇がフランス債利回りの抑制となっています。信任投票の結果で、仏10年債利回りは昨日急上昇しましたが、依然として今月初めに更新した高水準は大きく下回っています。
その結果、本日のユーロも安定しており、ドル安から恩恵を受けて1.1750ドルを上回って上昇しています。ECBが今週木曜日の政策会合にて金利を据え置くと予想されていることもあり、この期待もユーロを支えています。
石破首相辞任で財政緩和政策への期待高まり円高に
日本では政情不安によって、ここ最近円安傾向にありました。しかし、石破首相が日曜日に辞任を決め、自民党の次期総裁候補者が次々と現れる中、市場の焦点は早くも財政刺激案の可能性に移行しています。与党自民党は総裁選への準備を着々と進めています。報道によると、今回の総裁選は、全国の党員・党友も投票に参加する「フルスペック型」で行うことになり、投票日は早くて10月4日となりそうです。
昨日は円安となりましたが、財政緩和政策への期待から、日銀による追加利上げの可能性が高まっており、本日は全般的に円高となっています。米ドルは現在0.6%下落し、146円55銭で取引されています。
日本株も本日前半に急騰しましたが、日経平均株価は0.4%下落して取引を終え、最高値から下落しました。米株式先物もまた昨日の控えめな上昇後勢いを失いつつあります。
全体的には、株式市場のムードは依然としてポジティブですが、今週の米インフレデータが明らかにリスクとなるでしょう。