デイリーコメントー米利下げ観測高まるも米ドルは回復幅拡大

投稿日: 2026年2月17日20時30分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・市場は年内の合計利下げ幅を0.65%相当と予想
・今週は、前回FOMC会合の議事要旨と第4四半期の米GDP速報値に注目
・円高で日本の低調なGDPでの損失分を一部回収、豪ドルとポンドは下落
・米株価は下落で開場示唆、ゴールドは続落

今週の前回FOMC会合議事要旨と米GDP速報値を前に米ドル安定

昨日の米ドルは、ほとんどの主要通貨に対して回復幅を拡大し、豪ドルとNZドルに対してのみ下落しました。米ドルは本日も安定していますが、円に対してはこれまでの利益の大部分が帳消しとなっています。

先週水曜日に発表された米雇用統計が予想を大幅に上回ったことで、米ドル上昇となりましたが、世界の準備通貨である米ドルは、金曜日の米CPI指数が減速したことで、投資家によるFRB利下げ観測が高まったものの、雇用統計後の上昇分を手放すことはありませんでした。

FF金利先物によると、市場は現在、年末までに合計で0.65%相当の利下げを予想しており、これはあと2回の0.25%の利下げに加え、3回目の利下げ確率が50%以上であることを意味します。これら全てを鑑みると、市場は明日発表となる前回のFOMC会合議事要旨、そして金曜日の2025年第四半期での米GDP速報値に注目することでしょう。

前回のFOMC会合では金利を据え置き、パウエル議長は労働市場が下振れとなるリスクが低下したと言及しました。明日の議事要旨では、他のFOMC会合メンバーも、1月の雇用統計で裏付けされたパウエル議長の見解に同意したかどうかを見る機会となりそうです。

しかし、サンフランシスコ連銀デーリー総裁が、本日の講演にて、もっと最新の見解を明らかにする可能性もあります。1月の雇用統計発表前までは、デーリー総裁は労働市場の現状について懸念を表していたようで、雇用と解雇が低い状況から、すぐに雇用がなくなり解雇が増える可能性があることに懸念を示していましたが、先週の好調な雇用統計を受けて、見解は変わったでしょうか。

FRBが現在労働市場に焦点を置いていることから、本日発表の週間ADP雇用者数変化も注目される可能性があるでしょう。

日本の軟調なGDPで円安も為替介入への懸念から円は回復へ

日本経済は、2025年第4四半期でのGDPによって、前期の下方修正されたマイナス0.7%から前期比0.1%に上昇し、予想よりも緩やかな回復であることが示唆されたため、昨日の円には売り圧力となりました。日本経済はテクニカル・リセッションを免れたものの、低調な成長率は高市首相による大幅財政刺激策を追認することになります。また同時に、日銀が利上げに急ぐ必要はないことも示唆されます。実際、日本のオーバーナイトインデックススワップ(OIS)市場によると、次の0.25%の利上げは春闘賃金交渉後の6月にほぼ完全に織り込まれています。

日米合同での為替介入への懸念から、トレーダーはショートポジションを長期維持することに消極的であるためか、本日の円は回復の兆しを示しています。

豪中銀の会合議事録公開後豪ドル下落、低調な英雇用統計でポンド下落

前回利上げを決定したオーストラリア準備銀行による金融政策委員会議事録では、今後の追加利上げが必要であるかについて懐疑的であったことが明らかとなり、豪ドルは下落しました。それでも、豪中銀はインフレの粘着性について引き続き懸念を示しているため、次回会合での連続利上げの可能性は20%から17%と大幅に後退していません。そのため、豪中銀とFRBとの金融政策の乖離が今後も予想されることから、豪ドル/米ドルの上昇トレンドはしばらく続く可能性があるでしょう。

イギリスでは12月の失業率が5.2%に上昇し、平均賃金が前年比で4.6%から4.2%に減速したため、イングランド銀行が3月会合にて利下げを行う確率が高まり、ポンドは下落しました。現在、3月での利下げ確率は75%となっており、明日の英CPI指数が減速する場合は、利下げがほぼ確実となる可能性があります。

明日のアジアセッションでは、ニュージーランド準備銀行が金融政策会合を行い、金利を維持すると見られており、NZドルトレーダーは、政策会合でのフォーワードガイダンスと借入コストを引き上げるのかどうかについての手掛かりについて注目することになるかもしれません。ニュージーランドのオーバーナイトインデックス(OIS)市場によると、0.25%の利上げは10月に完全に織り込まれています。

AIへの懸念の中、米株価下落、ゴールドは5,000ドルを下回り下落

米株式市場は昨日休日のため休業でしたが、開場時間と取引量を制限して米株指数先物は電子プラットフォーム上では取引は継続していました。本日の先物は、ナスダック100は0.7%近く縮小するなど赤字となっています

そのため、AIへの巨額投資とAIが雇用やビジネスモデルに破壊的な影響を与えることに対して市場が引き続き懸念を抱く中、米株式市場は本日下落して開場することが示唆されています。

ディフェンシブ銘柄が、ハイテク銘柄からのセクターローテンション先として恩恵を受けているようですが、ゴールドのような究極な安全資産への大きな流入はないようです。ゴールドは昨日5,000ドルを下回って下落した後、本日も下落しています。