デイリーコメント – 市場は本日のエヌビディア決算に注目する中、リスク選好度が改善

投稿日: 2026年2月25日20時18分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• リスクセンチメントが向上し、株価は上昇
• 本日、米市場閉場後のエヌビディア決算に注目が移る
• トランプ大統領、米・イラン衝突危機の主な解決策として外交を強調
• ゴールドと原油は最近の上昇を維持、米ドルは乱高下

抑制的なリスクオン反応

月曜日の関税動向を巡る厳しいセッションを経て、昨日のリスク資産市場は投資家のリスク選好度が改善の兆しを見せたことから、堅調な上昇反応を示しました。米株価指数は上昇し、S&P500は一般消費財とテクノロジー株に牽引されて上昇しました。同様に、暗号資産市場も反発し、ビットコインは6万5,000ドル台を回復した一方、イーサリアムは2,000ドル台には届きませんでした。

もっとも、こうした反応にもかかわらず、関税問題は依然として注目の的となっています。というのも、通商法122条を適応して現在も課せられている世界各国への一律15%の関税が150日経過後に延長されるのかどうか、また、現在違法と見なされている関税によって徴収された推計2,110億ドルの返金が求められるのかどうかといった、先行き不透明な問題が残っているためです。さらに、欧州議会が昨年米国と合意した貿易協定の承認手続きを延期したことを受け、一部の国々が米国との間で締結済みの貿易協定を破棄することさえ検討する可能性があります。

AIの影響に対する懸念の後退が、リスク選好度の改善に大きな役割を果たし、こうした急速なセンチメントの変化は、本日発表予定のエヌビディアの決算とも関連している可能性が高いでしょう。アナリストは今回も非常に好調な決算を予想しており、市場の焦点は他のテクノロジー株に短期的な調整をもたらし、各社の実際の決算内容をかすませる要因ともなっていた、今後のAI関連投資計画へと移っています。

エヌビディアの決算は市場予想を裏切る傾向にはありませんが、仮に今回予想を下回る場合、同社の株価は、主要な単純移動平均線が集中し今後のボラティリティ上昇を示唆する184~186ドルの重要なサポート水準を試すとみられ、殆どの米主要株価指数も、弱気相場の流れから抜け出すのは難しくなるでしょう。

トランプ大統領は外交への道を残す

昨日のトランプ大統領による一般教書演説では、大きなサプライズはなく、同氏は経済、外交政策、移民問題などについて、これまでと同様の主張を繰り返しました。イラン問題については特に強い姿勢を示し、交渉を望む姿勢と、イランに核兵器保有を許さない意向を強調しました。やや融和的とも取れるその姿勢を受けて米ドルは下落し、ユーロ/ドル相場は現在1.1800付近で推移しています。

一方、ゴールドと原油は最近の上昇を維持しています。ゴールドは5,200ドルを下回る水準で推移しており、リスク選好度の改善が続いていることから、一時的な下落となる可能性があるでしょう。原油も同様に、比較的狭いレンジで推移しており、過去数日のセッションでは67ドル水準がレジスタンスラインとなっています。これは、米イラン関係が著しく悪化しない限り、このレジスタンスラインを上抜ける可能性は限定的であることを意味しています。

FRBメンバーの発言は続く、2026年の利下げ観測は後退

過去2週間に発表された好調な労働市場とインフレ関連のデータにより、市場の利下げ観測は徐々に後退しています。現在、市場は合計約0.55%の利下げを織り込んでおり、これは2月初旬の0.65%から減少し、今年最初の利下げは9月まで先送りされると見込まれています。

FRBメンバーの見解がそれほどハト派に なっていないことも一因です。ボストン連銀のコリンズ総裁とシカゴ連銀のグールスビー総裁といった中立派は、ともに今年のFOMC会合で投票権を持ちませんが、最近の雇用統計の堅調さを強調し、利下げにはインフレがもっと減速する必要があると述べました。本日も3名のFRBメンバーが発言する予定で、セントルイス連銀のムサレム総裁やカンザスシティ連銀のシュミッド総裁は、市場が現段階で望むよりもややタカ派寄りの発言をする可能性があるでしょう。

円は圧力を受ける

予想通り、高市首相の積極財政案や巨額の政府債務が次第に再度注目を集める中、総選挙後に見られたドル/円の下落相場は長続きしませんでした。加えて、高市首相が先週の植田日銀総裁との会合で、今後も安定的な金融政策スタンスを推進するよう求めたとの見方が、昨日の報道により裏付けられました。

その結果、2月中旬以降、市場は利上げ幅を約0.10%縮小し、現在は合計0.47%の利上げを織り込んでいます。また、4月の利上げ実施確率は1月下旬の73%から54%まで低下しています。155円94銭の50日移動平均線を決定的に上抜ける動きがあれば、2月初旬の高値を再び試みる展開となる可能性があるでしょう。