デイリーマーケットコメントー豪利下げでも豪ドル底堅く推移、米ドル回復

投稿日: 2019年7月2日18時15分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 豪追加利下げにも関わらず、豪ドルは底堅く推移
  • 米利下げ観測後退で、米ドル回復
  • 欧州重要ポスト選考再開、PMI指数発表

豪利下げにも関わらず、豪ドルは底堅く推移

本日、オーストラリア準備銀行は、緩和政策で失業率とインフレを回復させる為に、2か月連続で利下げに踏み切りました。追加利下げは市場では十分に織り込みだった為、豪ドルは利下げ決定で若干下落したものの、その後すぐに回復し、一段と上昇しました。

オーストラリア準備銀行は、今後の方針は経済指標結果次第と述べたものの、追加利下げに消極的な姿勢が見られた為、豪ドルの下げ幅が限定的となったようです。

豪ドル相場は、慎重ながらも、ポジティブな見通しとなっています。現在、豪12月利下げの可能性は最大80%となっています。しかしながら、FRBとECBの利下げも予想されている為、豪ドルにとって、利下げは直接的な豪ドル安の要因にはなっていないようです。更に、米中通商協議再開により、豪ドル高が一段と進む可能性もあります。

ISM製造業PMIの好調な結果が利下げ観測を後退させ、米ドル上昇

昨日、7月のFOMC政策会合で0.50%の利下げの可能性が大幅に後退した為、米ドルが対主要通貨で急騰しました。昨日に発表された米6月ISM製造業PMIが市場予想ほど鈍化しなかったことが、市場の懸念を緩和させ、FRBが市場予想ほどの利下げに踏み切らないとの見方が強まりました。これにより、米ドル買いの圧力が強まりました。

今月のFOMC政策会合での0.25%の利下げは完全に織り込まれていますが、0.50%の利下げの可能性は僅か15%まで低下しています。明日に発表される米非製造業PMI、及び金曜日の雇用統計が堅調な結果となった場合、0.50%の利下げの可能性は0%に向けて低下するでしょう。更に、政策会合が近づくにつれ、米ドルが一段と回復する可能性もあります。

しかしながら、米ドル相場の大局的な流れは、依然として悪化したままです。FRBは他の主要国の中央銀行よりも、大幅な利下げの踏み込む可能性があります。したがって、長引く世界的緩和政策の時期において、米ドルの下振れリスクは、他の主要通貨よりも大きくなるでしょう。

欧州の重要ポスト選考継続、PMI発表、及びFOMCメンバー発言に注目

本日に発表される英6月建設業PMI、及び明日に発表される中国6月Caixinサービス業PMIは、市場の注目を集めるでしょう。

欧州では、欧州委員会委員長、EU大統領、及び欧州議会議長の重要ポストの選考が、本日より再開されます。重要ポストの選考は市場の流れに直接影響することはありませんが、どの候補者が選出されるかは、ECB次期総裁決定に大きく影響する為、注視されるでしょう。

原油市場に関しては、OPECが減産期間の9か月延長に同意したとの報道がありました。市場の反応は限定的でしたが、原油価格は米中休戦合意やイラン情勢の影響を受ける模様です。

GMT1035にはニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、GMT1500にはクリーブランド連銀のメスター総裁が発言予定です。両者は共に、本年でのFOMCで投票権を保有している為、米7月利下げの可能性を見極める為に、市場は注目するでしょう。