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新型ウイルスの感染拡大への懸念で、円上昇、株価下落
本日の市場は、世界各地でリスクオフの流れとなりました。新型コロナウイルスの急速な感染拡大、及び経済への影響が強く懸念されています。感染者数が週末中に3倍に急増し、中国政府の対応が間に合わず、速いスピードで大流行に発展する可能性が浮上しています。
状況を悪化させているのは、米国や日本にも感染が広がっていることです。中国政府が中国の国内都市を封鎖して、旧正月のイベントや移動等をキャンセルしても、新型コロナウイルスの大流行阻止に繋がらない可能性があります。市場では、第1四半期GDPへの影響も懸念されています。旧正月後も消費への影響が継続する場合、リスクの下振れや長引く経済減速に発展する可能性もあります。
市場では、資金が安全資産に流れた為、円が全面高となりました。一方で、豪ドルやNZドル等のコモディティ通貨は、下落しました。アジア株式市場は、全面安となりました。本日の米主要株価先物指数は、最大1%程の下落してのオープンを示しています。イラクの米大使館へのミサイル攻撃のニュースにもかかわらず、経済成長への新たな懸念により、原油価格は下落しました。これにより、原油価格の反応しやすいカナダドルも下落しました。
市場では新型コロナウイルスの感染拡大を織り込んでいなかったことと、現在は主要なニュースもないことから、今後数日間は、新型コロナウイルスのニュースが市場の関心を集めるでしょう。
FRBのバランスシートの拡大によって、金融市場では流動性が増加している為、大局的な流れでは、新型ウイルスによる世界的なリスクオフの流れが長く継続するかは疑問でしょう。再び市場での買い圧力が強まることになる為、ウイルスによる混乱がどれくらい継続するかが注目されます。当然ながら、新型ウイルスの鎮静化前に、状況が一段と悪化する可能性もあります。
FOMC会合控え、米ドル上昇
本日の米ドルは、円の次に堅調推移した通貨でした。新型コロナウイルスへの懸念により、米国債の需要が増加しました。
リスクオフの流れに加え、ユーロやポンドの下落も米ドル高の要因となりました。先週金曜日に発表されたユーロ圏、及び英PMIは、市場予想を下回りました。現在の所、木曜日のイングランド銀行の政策会合での利下げの可能性は、50%程になっています。したがって、今週のポンド相場は、荒い値動きになるでしょう。
リスクオフの流れにより、安全資産のスイスフランの需要が増加し、ユーロ/フランは数年ぶり安値まで急落しました。米国による政治的圧力にもかかわらず、スイス国立銀行が為替市場に介入するかが注目されています。