デイリーマーケットコメント–FRBの慎重姿勢、及び弱い物価上昇圧力で市場は横ばい推移

投稿日: 2021年2月11日21時14分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FRBによる流動性追加の継続方針にもかかわらず、株価は横ばい推移
  • 外国為替市場は次の材料を求めて、静かな動き
  • 米週次新規失業保険申請件数、及びディズニーの四半期決算発表に注目

追加刺激策による影響は薄れつつある可能性

昨日の世界市場は静かな動きとなり、株式市場の終値は引き続き高値付近となり、主要通貨ペアも狭いレンジ幅内での取引となりました。

市場は、米消費者物価指数、及びパウエルFRB議長の発言に注目しました。米1月消費者物価指数は市場予想を下回り、FRBが緩和縮小を開始する水準には程遠いことが明らかになりました。パウエル議長のハト派寄りの発言も、量的緩和縮小の観測後退を後押ししました。

パウエル議長は、実質の失業率は10%付近であり、今後数か月内にインフレが上昇しても、FRBはインフレの上振れを容認することを改めて表明しました。更に、パウエル議長は、感染拡大が収束するまでは、量的緩和の縮小は選択肢にないことも明らかにしました。総じて、パウエル議長の発言では、大規模な追加経済対策の承認が金融正常化時期に影響を及ぼす懸念の払拭に努める姿勢が見られました。

インフレ結果が予想を下回る中、FRB議長が流動性追加の継続方針を明らかにした場合、通常は株価の上昇要因となり、米ドルの下落要因となります。しかしながら、昨日の市場の反応は限定的でした。したがって、流動性が増加した市場において、刺激策の影響が薄れつつあり、市場は新たなリスク資産を求めている兆しが見られました。

新たな材料がない中、外国為替市場は静かな動き

外国為替市場全体は、静かな動きとなりました。ワクチン接種率増加による経済の迅速な回復見通しにより、ポンドは最近の高値付近で推移しました。

英国では、約20%の国民が1回目の接種を終了し、リスクの高い高齢者の殆どが1回目の接種を終えたことになります。したがって、今後は入院患者数が大幅に減少する見通しで、持続可能な経済再開が可能になるでしょう。一方で、ユーロ圏内のワクチン接種スピードには改善が見られず、経済見通しの乖離が浮き彫りになり、ユーロ/ドルの上値が重くなっています。

最近、経済見通しに改善が見られたにもかかわらず、コモディティ通貨は横ばい推移となりました。例えば、カナダドルは、原油価格の急騰に殆ど反応しませんでした。底堅い国内経済やニュージーランド準備銀行による利下げ観測後退にもかかわらず、NZドルも上昇には繋がりませんでした。

ユーロは、引き続き米ドルと反対の動きを見せています。ドイツ政府が3月上旬までのロックダウン延長を公表したものの、ユーロの反応は限定的でした。現時点では、W型景気後退の回避はほぼ不可能であり、主要経済の中で、ECBは低金利政策から最後に抜け出す中央銀行となるでしょう。

米週次新規失業保険申請件数、及びディズニーの決算発表に注目

本日には、市場を動かす主要なニュースはないでしょう。米週次新規失業保険申請件数が発表され、最近の米雇用統計の脆弱な結果により、市場の注目が若干集まる可能性があります。

米企業の決算発表では、米株式市場の閉場後、ウォルトディズニー社が四半期決算を発表します。ウォルトディズニー社の決算は減少見込みですが、今週の株価は最高値を更新しており、通常では見られない動きです。

新型コロナウイルスの感染拡大により、ウォルトディズニー社はテーマパーク事業から、ストリーミングサービスへの路線変更を余儀なくされました。そのため、ウォルトディズニー社の株価は、オールドエコノミーではなく、テクノロジー株価の動きとなっています。