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欧州内のロックダウンで、米ドルは一段高
欧州内の感染者数が再び急増する中、欧州経済の急速な回復への期待は後退し、本日の市場ムードにも影響しました。欧州の感染状況悪化は、他の地域に波及する可能性がありますが、大規模な財政刺激策、及び迅速なワクチン接種で、米経済への影響は限定的でしょう。
米経済回復のハードルとなる要因が見られないことから、米ドルは安全資産としての地位を強固にし、米国債の需要も増加しました。最近、米10年債利回りは低下しているものの、米ドルは4か月ぶり高値まで急騰しました。
米ドルインデックスは92.70付近まで上昇しました。リスクオフムード改善により、本日の円は下落した為、ドル/円は109円台越えを達成しました。
ユーロとポンドの下落基調継続
ロックダウンによる見通し悪化に若干の改善が見られたため、本日の豪ドルとNZドルは緩やかに回復しました。しかしながら、ユーロとポンドは下落基調を継続し、対米ドルで、それぞれ4か月ぶり安値と6週ぶり安値まで急落しました。
先の見えないロックダウン、及びワクチン接種の遅延により、投資家が欧州経済の成長見通しを大幅に下方修正しました。感染力が強い英国型変異種がフランスやドイツを含む多数の国での感染者数を再度増加させ、数か月に及ぶ厳しい規制後も、経済再開の目途は立っていません。
欧州委員会によるワクチンプログラムの方針は、経済回復への懐疑的な見方を一段と強くさせたに過ぎませんでした。欧州委員会は、供給不足の原因はアストラゼネカ側にあるとの見解を示し、欧州内で生産されたワクチンの輸出制限を検討しています。本日、EU加盟国の首脳は、ワクチンの輸出制限について協議します。ワクチンの輸出が制限された場合、欧州からの輸入に依存する英国が大きな打撃を受けるでしょう。EUによるワクチン輸出制限の可能性により、ポンドは下落しています。現在、欧州を襲っている第三波が英国にも広がり、英経済の回復にも影響する可能性もあります。
しかしながら、昨日、EUと英国がワクチン供給問題の解決に向けて合意したとのニュースが報じられ、ポンドとユーロの下落に歯止めがかかりました。
米株式市場は緩やかな上昇となる模様
本日の株式市場も静かな動きとなり、アジア株式市場は概ね上昇して引けました。欧州株式市場は若干下落してのスタートなりましたが、米主要株価先物指数の上昇が限定的な為、回復には至っていません。
今週、パウエル議長の議会証言ではサプライズ要因がなかった為、米株式市場は方向性が定まっていないようです。一方で、米法人税引き上げ観測、米中関係の悪化、及び欧州内の感染再拡大により、リスクオフの流れが強まりました。
昨日、米証券取引委員会が監査基準を満たさない外国企業を米市場から締め出す規制を開始しました。主に中国のハイテク企業が影響を受けるとの見方により、本日の中国CSI300は3か月ぶり安値まで急落しました。米中が人権問題で対立する中での規制の開始により、投資家心理が悪化したようです。
スエズ運河でのコンテナ船座礁後の原油高は継続せず
リスクオフムードが若干改善したものの、原油価格の一段安は回避できませんでした。昨日に約6%下落したWTI原油先物、及びブレント原油先物は、本日には1.6%から2%値下がりしました。スエズ運河で巨大コンテナ船が座礁し、航路の渋滞に繋がった為、原油価格が一時上昇しました。
しかしながら、欧州内のロックダウン延長による重要の見通し悪化を受けて、原油価格は再度下落に転じました。