デイリーマーケットコメント–株価回復、米ドル高継続、ユーロは下げ止まり

投稿日: 2021年3月26日21時06分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 昨日の米株価上昇で市場のムード改善、しかしながら四半期末の調整のリスク
  • 米ドルは高値から若干下落、ワクチン問題におけるEU加盟国首脳の意見の相違でユーロ安継続
  • 豪ドルとNZドル上昇、スエズ運河での渋滞解消が数週間かかる可能性により原油価格再度上昇

米経済回復が材料視され、株価上昇

昨日、米経済の強い回復のニュースを受けて、米株式市場が上昇し、世界の株式市場は荒い値動きで今週を終えようとしています。S&P 500は前半の0.9%の値下がりを回復し、0.5%上昇して引けました。ダウ工業株の終値も0.6%上昇しました。一方で、ナスダック指数の終値は0.1%に留まり、ハイテク株からオールドエコノミー株への資金の移動が浮き彫りとなりました。

四半期末を控えて、年金機構がポジション調整の為に数十億ドル規模の資金を株価から債券に移動させ、株式市場が大きく動くリスクもあります。今週、国債利回りの低下が継続していることから、ポジション調整の動きは既に開始している可能性があります。したがって、今後数セッションは、株式市場が動きやすい状況が継続するでしょう。

現在の所、米国内での迅速なワクチン接種と感染状況の改善を背景に、株高の流れは継続しています。昨日に発表された3月20日の週の米失業保険申請件数は、コロナ危機以来初めて、70万件を下回りました。バイデン大統領は、当初の予定よりも早く達成した為、就任後100日間で1億回という目標を2倍の2億回に引き上げる方針を公表しました。

アジア株式市場での株高の流れを引き継ぎ、欧州市場も大幅に上昇してのスタートとなりました。米主要株価先物指数も0.3%上昇してのオープンを示しています。

米ドルは約4か月ぶり高値付近で推移

米ドルはリスク通貨に対して若干下落したものの、底堅く推移しました。昨日、米ドルインデックスは4か月ぶり高水準92.92まで上昇後、本日には92.75付近で底堅く推移しています。本日前半のドル/円は9か月半ぶり高値109.48円まで上昇したものの、他の主要通貨に対しては若干下落しました。

しかしながら、米失業保険申請件数の大幅な改善が米経済の迅速な回復への期待、及び債券売りに繋がり、国債利回りが上昇しました。したがって、米ドルの下落は限定的となりました。昨日、パウエル議長は米経済が「ほぼ完全に回復するまで」は刺激策を継続する方針を改めて表明しました。経済の完全な回復が予想よりも早く、或いは少なくとも他国よりは早い可能性により、国債利回りの安定推移は継続しないでしょう。

ユーロは回復、豪ドルとNZドルも上昇

一方の欧州は、第三波により新たなロックダウンを余儀なくされて、経済回復において米国とは対照的な見通しとなっています。昨日、EU加盟国の首脳は、新型コロナウイルスのワクチン輸出制限の厳格化を決定しました。

今回の決定により、今後、英国との軋轢が強まる可能性があるものの、EUと英国はワクチン供給問題の解消に向けて前向きに姿勢を示しています。しかしながら、英国が7月末までに希望する成人全員へのワクチン接種を達成できると市場は見なしているようです。本日のポンド/ドルは、1.3780ドル付近まで上昇しました。

3日連続の急落後、本日のユーロ/ドルは若干回復し、直近では1.1794ドルまで上昇しました。しかしながら、本日最も上昇した通貨は、豪ドルとNZドルで対米ドルで約」0.5%上昇しました。原油価格上昇により、カナダドルも値上がりしました。

スエズ運河での航路渋滞で、原油価格上昇

スエズ運河でのコンテナ船座礁による渋滞解消に時間がかかるとの見通しにより、原油相場が荒い動きとなる模様です。座礁したコンテナ船を動かす復旧作業には、数週間かかる見通しで、原油供給にも影響を及ぼす可能性も浮上しています。

直近でのWTI原油先物は2.1%上昇し、ブレント原油先物は約1.9%上昇して推移していました。