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米ドル全面高
今週も米ドル高が継続しています。株式市場の懸念、米国以外の世界経済減速、及び米国債利回り上昇は、米ドル高の追い風となっています。
先週のFOMC政策会合後の混乱収束後、現段階で十分なインフレ対策を講じていない場合、後日、急激な引き締めを行う必要が出てくると市場は判断したようです。長期国債利回りは最高水準まで上昇し、債券市場がFRBの政策上の誤りに懸念を強めていることが浮き彫りとなりました。
先週金曜日に発表された米雇用統計への市場の反応は限定的でした。米非農業部門雇用者は市場予想を超える結果となったものの、その他の指標は市場予想を僅かに下回りました。全体的に、労働市場は米経済の明るい材料となっており、FRBによる金融引き締めの必要性を明確に示しています。
7月のFOMC政策会合での0.50%の利上げは、市場で完全に織り込まれています。パウエル議長は0.75%の利上げを積極的に検討していないことを明確に示したものの、0.75%の利上げの可能性は80%となっています。
株安の流れ継続
利上げ観測、経済成長鈍化の兆し、及び米株式市場でのレバレッジ削減により、米株安の流れは継続しています。先週金曜日には、ハイテク銘柄中心のナスダック指数は1.4%値下がりし、米主要株価先物指数の動きから、本日の取引開始後には一段の下落が予想されます。
中国経済減速の兆しにもかかわらず、中国政府はゼロコロナ政策を維持しています。先週末、上海市がロックダウンの規制を一段と強化した為、経済成長鈍化、及びサプライチェーン混乱による世界的なインフレの長期化への懸念が一段と大きくなりました。PMIビジネス景況感で今期の経済成長鈍化の兆しが見られ、中国政府は人民元切り下げを実施しました。急激なレートの動きは、米ドル高を一段と上昇させる結果となりました。豪ドルは、豪経済の中国のコモディティ需要への依存により、打撃を受けました。
米消費者物価指数に注目
本日には、主要な経済指標の発表は予定されていませんが、水曜日の米4月消費者物価指数は注視されるでしょう。米4月消費者物価指数は、前年同月比8.1%増が予想されており、遂にインフレがピークアウトする見通しです。
今後発表される経済指標がインフレ懸念を緩和させる場合、米国債利回りと米ドルの上昇も一服し、打撃を受けたハイテク株も回復するでしょう。
欧州と中国の経済成長見通しが改善しない限り、米ドル安への転換の公算は小さいでしょう。ウクライナ侵攻、及び中国のゼロコロナ政策への明るいニュースが良いスタートとなるでしょう。
一方で、反対のリスクもあります。本日はソビエト連邦の終戦記念日です。政治専門家の間では、ロシア政府がウクライナ侵攻を正式に宣言し、ウクライナへの攻撃を強める可能性が懸念されています。