XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら

米労働市場の過熱が浮き彫り
今年に入っての金融引き締め政策にもかかわらず、米労働市場の力強い成長の継続が明らかになりました。米9月非農業部門雇用者数は26.3万人増となり、先月結果よりも低下したものの、全体的に堅調な結果となりました。最も重要なことは、失業率が過去50年ぶり低水準となりました。これにより、米利上げペース鈍化期待は後退致しました。
住宅市場、在庫、及び景況感指数に関する複数の経済指標では、米経済失速の兆しが見られるものの、ハードデータにはまだ反映されていないようです。米労働市場の過熱は継続し、インフレはFRB目標の4倍で推移し、GDPナウでは第3四半期GDPの上昇が示されています。
米経済の底堅い成長は、インフレが十分に抑制されるまでの米利上げ政策を後押しします。11月の0.75%利上げは完全に市場では織り込まれています。木曜日に発表される米9月消費者物価指数の結果も、11月の0.75%利上げを一段と確実にするでしょう。
米ドル相場の見通し
米ドル高の要因は依然として揃っています。ユーロはエネルギー不足、ポンドは不安定な政情、円は低金利政策、豪ドルとNZドルは中国の不動産業界の破綻危機に直面する中、米ドルと主要通貨の金利差拡大は継続しています。
しかしながら、米ドル一段高の公算は小さいでしょう。ファンダメンタルズで米ドルに有利条件が揃っていても、米ドルが十分に買われている状況下では、米ドルが一段と上昇する可能性は限られています。米ドル高の流れにより、米ドル上昇が限定的となる一方で、経済指標の脆弱な結果により、大幅に下落するリスクもあります。
米雇用統計発表後の米ドルは、カナダドルを除く主要通貨に対して、大きく上昇しました。現在、カナダドルは、カナダ雇用統計の強い結果と原油価格の回復により、急騰しています。
ドル/円も奇妙な動きをした通貨ペアでした。ドル/円は145ドル台を突破したものの、その後は145円台付近で推移しています。円の底堅い動きは、債券市場の荒い値動きにより、円のヘッジとしての需要増加、或いは円安による大きな打撃回避の為の日銀の操作の可能性もあります。
豪ドルと株価下落
中国経済指標の脆弱な結果が続き、今週の市場も先行き不透明感が継続しています。中国9月サービス業PMIは縮小に転じ、中国不動産業界の不況がロックダウンで既に打撃を受けている中国経済全体に波及している懸念が浮上しました。中国経済指標の脆弱な結果は、豪ドルにも影響し、パンデミック後最安値まで急落しました。
米非農業部門雇用者数の結果で、米利上げペース鈍化期待が後退し、米株価は急落しました。ナスダック指数は3.8%下落しました。今週後半から米企業の決算発表がスタートする中、本日の米主要株価先物指数は下落してのスタートを示しています。
総じて、株式市場の楽観ムードへの転換は時期尚早でしょう。バリュエーションは修正されたものの、政策金利上昇下では依然として高すぎる状況となっています。更に、量的緩和引き締めも急速に進み、欧州と中国の経済減速は企業の決算結果に影響するでしょう。
万能カードは、市場全体のポジティブなムードの繋がる傾向がある米中間選挙が1か月後に控えていることです。
最後に地政学リスク上昇にも注目が集まります。ウクライナ側がロシア本土とクリミア半島を繋ぐクリミア大橋を爆破した為、ロシア軍が首都キーヴを含む都市へのミサイル攻撃で報復しました。