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• 市場の強い高揚感が薄れる中、米ドルと米国株は方向性を模索
• インプライド・ボラティリティが全面的に低下
• トランプ大統領はFRBに利下げを要求も、米債券市場は同調せず
• ゴールドはレンジ取引、原油は64ドルで足踏み
米ドルは圧力下に
米中貿易協議合意後、市場が足元を固めようとしているため、米ドルは月曜日の上昇分のいくらかを失い、本日も少々下落しています。しかし、貿易協議合意後の強い高揚感から米株式は上昇し、S&P500とナスダック100はいずれも2025年に入ってプラス圏に転じています。
興味深いことに、今週は主要資産全体でのボラティリティが大幅に低下しています。具体的には、ユーロ/ドル、ドル/円、ポンド/ドルの1カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は最低水準に沈んでいます。同様に、米株価指数は、週足では著しい上昇となっているにもかかわらず、過去30日間では最も低いボラティリティを記録しています。
トランプ大統領は引き続きFRBに利下げを要求
米国がサウジアラビアと6,000億ドルという巨額の投資確約を取り付けた後、トランプ大統領は引き続き楽観的な姿勢を保っており、投資家たちはトランプ大統領の次の一手を模索しています。一方、米国家経済会議のハセット委員長は報道陣に対し、トランプ大統領が米国に戻り次第、次の貿易協定が発表されると述べました。このことから、トランプ大統領が現在のポジティブな市場センチメントを維持しようと考えていることは明らかですが、中国との貿易協定合意以上のものを打ち出すことは難しいでしょう。
一方で、パウエルFRB議長は依然としてトランプ大統領にとっての大きな悩みの種となっているようです。昨日の米CPI報告が下振れのサプライズとなったことをきっかけに、トランプ大統領は再びパウエル議長を非難し、改めて利下げを要求しました。そう遠くない将来、トランプ大統領は個人攻撃がかえって逆効果になりやすいことを理解するかもしれません。しかし それまでは、パウエル議長もこうした罵倒に耐えなければならないでしょう。
市場はFRBの利下げを年内2回と予想
興味深いことに、インフレ圧力がやや落ち着きを見せ、米経済が2025年第1四半期の低調な結果から、回復傾向にあるとみられる中、米経済の悪化を示すようなよほどのハードデータ発表がない限り、FRBが2025年内は金利を据え置き続けるということもあり得るでしょう。市場では現在、年内に2回の利下げが織り込まれており、最初の利下げは9月のFOMC会合で実施されるとの見方が強まっています。
一方、米中貿易協定合意やさらなる貿易協定発表が控えているにもかかわらず、米債利回りは上昇を続けており、火曜日のセッションでは10年債利回りが一時4.5%に達しました。債券投資家の間では、拡大を続ける財政赤字への懸念が根強く、特に、トランプ政権がかねてより議論してきた減税の実施に向けて必死に準備を進めている状況を踏まえると、関税収入が米国の財政状況に著しく寄与する可能性に確信が持てないのでしょう。
ゴールドはレンジ相場、原油価格上昇は64ドル突破ならず
トランプ大統領の中東歴訪は、どうやらさまざまな方面での動きを加速させたようです。ウクライナとロシアは現在も代理人を通じて、今週トルコでの直接会談の可能性について協議を続けており、トランプ大統領が両国に停戦合意を促し、3年に及ぶ紛争の終結をするため、ゲストとして同席する可能性も取り沙汰されています。さらに、イラン、フランス、ドイツ、イギリスの代表者らが金曜日にトルコで会合を開き、今後予定されている米イラン核協議に向けた準備を進める予定となっています。
一方、ゴールドは月曜日の急激な調整以降、上値の重い展開が続いており、3,210〜3,270ドルという狭いレンジ内でもみ合っています。これに対して原油は、イラン産原油を中国に輸送している企業に対する米国の制裁に反応を見せたものの、64ドルの水準を上抜けるには至っていません。これは一部には、トランプ大統領がイランとの核合意を早期にこぎつけるべく、融和的な姿勢を示したことも影響していると考えられます。