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・米中合意後の楽観ムード後退で、米ドルは週次上昇分を反転か
・FRBの利下げ観測が若干押し上げられ、株価は勢い維持
・ゴールドは反発に苦戦で週次損失へ
市場は安定も引き続き様子見ムード
本日の米ドルには引き続き圧力がかかっていますが、週の半ばに不安定だった株価はいくらか上昇している一方、ゴールドは貿易摩擦緩和を背景に続落しています。関税関連の進展がない中、米中合意直後の高揚感は後退しているものの、市場としては、関税戦争の最悪の事態が終結し、米中間での貿易戦争停戦を受けて、状況は改善するのみとの楽観ムードにすがっているようです。
米国と他国との貿易交渉への新たな手がかりを探りながら、様子見を選ぶ投資家もいる一方で、FRBの金利政策を巡る不確実性が前向きなセンチメントを抑制しています。全体としては、市場には多少様子見ムードとなっており、ほとんどの主要通貨ペアはレンジ取引となっています。
株式市場は新たな貿易協定合意に期待
しかし株式市場では、FRBの次の動きに関しての不透明さもそれほど障害とはなっておらず、トランプ政権が他国との緊張悪化よりも合意成立を目指しているとの兆候の高まりに投資家は注目しているため、いくらか強気の確信があるようです。
米国が英国と中国と暫定的に合意したことを受けて、インドとの貿易交渉が早急に合意に達する可能性があります。スイスとの交渉も進展しており、これらの交渉が合意成立となる場合には、リスクラリーが再開する可能性もあります。ただし、日本とEUなど、一部の交渉が長引くリスクがあります。日本と米国の関係者は来週3回目の会談を予定しています。
一方、本日の株価は大方上昇しています。ドイツのDAX40が新最高値に向かっており、S&P500は今年の損失分を帳消しにして上昇しており、先物は若干上昇しています。
アジア市場では、アリババによる四半期売上高が予想を下回ったことを受けて、アリババ株下落が香港のハンセン指数の下落を牽引しています。本日の日本の第1四半期GDPが予想を下回って縮小したことから、日経225指数は横ばいで取引を終えました。
米ドル下落の中、日本円にサポート材料
しかし、日本の低調なGDPは日本円上昇を阻むことはありませんでした。日本円は月曜日に米ドル対して下落した後、強く反発しており、今週は小幅な上昇で終わる可能性があります。米国との交渉会談が早急に合意することへの疑念や、日銀によるハト派的見解にもかかわらず、円高となっています。日銀の中村審議委員が本日、景気減速時に利上げを急ぐことに対して警告を発しました。しかし、日銀による利上げの可能性がある限り、円安は限定的となる可能性が高いようです。
FRBに関しては、昨日の米経済データによって、遅かれ早かれ利下げを行う可能性が若干押し上げられました。しかし同時に、FRBが利下げを決定する時間的余裕がないと示唆する経済データはありません。市場は現在、FRBによる年内の利下げ観測を2回の0.25%の利下げ以上と見ています。本日発表のミシガン大学消費者信頼感指数によってこの利下げ観測が修正されるのか興味深いところです。
一方、FRBパウエル議長が昨日、予定されていた講演にて、今後の政策見通しについて言及せず方向性を示さなかったことから、ドル指数は下落しています。しかし、パウエル議長は、高インフレ期での雇用目標未達にそれほど執着しないために、FRBは政策決定枠組みを修正する必要があるかもしれないと述べました。
他の通貨では、ニュージーランド準備銀行の四半期調査で、インフレ期待が若干上昇したことからNZドルが本日最も上昇しています。
ゴールドは下落再開、原油価格も下落
意外にも、本日のゴールドは再度下落に転じており、昨日の反発を維持できずに週次損失に向かっています。貿易戦争が後退したことで、ゴールドの短期的な見通しに深刻な影響を及ぼしています。本日トルコで開催されるロシアとウクライナの会談を前に、何らかの進展への期待が薄いことは、ゴールドにとってはそれほどサポート材料とはなっていないようです。
イランの核開発計画を抑制することで、米国とイランが合意成立に近づいているとの予想される中、原油先物もまた赤字となっています。