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トランプ大統領がEUの関税延期合意で、市場に安堵感
トランプ大統領は、EUからの輸入品に対する関税率を50%に引き上げる計画を発表してからわずか数日後に、実施の延期を決定しました。日曜日のフォンデアライエン欧州委員長との電話会談後、トランプ大統領はこの措置を7月9日まで延期することで合意しました。7月9日は本来、この日までに米欧州間で貿易協定合意に至らなければ相互関税が発動される期限でした。
フォンデアライエン欧州委員長は、EUは合意に時間がもっと必要だと述べ、少なくとも現時点では、米国との緊張緩和に成功したようです。トランプ大統領も「非常に良い電話会談だった」と述べ、満足した様子を見せました。
トランプ大統領は交渉が長引くと我慢できなくなる傾向があるため、今回もEUに圧力をかけるためのトランプ大統領の典型的な交渉戦術であることは疑いの余地はありませんが、金曜日の決定は予想外であり、投資家にとっては彼の不安定な性格を再認識させる望ましくない結果となりました。
米ドル相場は悪化、欧州株式市場は関税延期を好感
また明らかになりつつあるのは、貿易に関する悪いニュースは米国経済にとってマイナスと受け取られ、一方で良いニュースはFRBによるさらなる利下げの可能性を高めるものと見なされるため、米ドルは一段と不利な立場に置かれているということです。
本日米ドルは主要通貨に対して、1カ月ぶりの安値で推移しており、ユーロとポンドはいずれも先週の大幅上昇をさらに伸ばしています。
ユーロドルは1.14ドル水準の回復を試しているものの、達成にはさらなる上昇勢いが必要かもしれません。一方で、欧州株はEUへの関税発動延期を受けて急騰、米国先物も上昇し、金曜日に米株式が記録した損失を覆す勢いです。米国で販売されるiPhoneの生産を米国内に移さなければ25%の関税が課される可能性があるアップルでさえ、時間外取引でわずかに上昇しました。
このリリーフラリー(安堵感からの相場上昇)にもかかわらず、本日は米国と英国が祝日のため市場の反応は限定的で、アジア市場の取引もまちまちとなっています。
日米貿易協定は難航、円は下落
トランプ大統領は「開放記念日」直後のようなレベルまで貿易摩擦を激化させるつもりはないという安心感が市場にはあるものの、今後の見通しには不確定要素が多すぎるため、多くの投資家は依然として慎重な姿勢を崩していません。
しかし、英国や中国との合意以降、新たな貿易協定合意がないことから、これから数か月間、取引交渉が続く可能性があるため、市場参加者の間にはやや不安が広がっています。
トランプ大統領の関税政策への絶え間ない駆け引きは、すでに輸送に大きな混乱を引き起こしており、コストの上昇や一部の港での混雑を招いています。
米政府が現時点ではすでにインド、韓国、日本との合意を発表していることが期待されていましたが、進展が遅いため、関税発動は更なる延期となる可能性が非常に高いでしょう。
それでも、金曜日に行われたトランプ大統領と石破首相との会談を受けて、日米間の協議は再び順調な軌道に乗りつつあるようで、6月の合意が視野に入っています。さらにトランプ大統領が姿勢を軟化させた兆しとして、米国のUSスチールと日本の大手企業、日本製鉄との提携を承認しました。
しかし、月曜日の円は全般的に軟調で、対抗する安全資産のスイスフランも、トランプ大統領のEU関税の延期を背景に市場心理が改善したため、わずかに下落しました。
長期の利下げ一時停止への懸念が広がる中、FRBメンバーの発言に注目集まる
ミネアポリス連銀カシュカリ総裁の発言が今週予定の他のFRBメンバーの発言もタカ派的な姿勢となることを示唆していなかったなら、本日のリスク選好の動きは一段と強くなっていたでしょう。
本日早くにブルームバーグTVのインタビューに出演したカシュカリ氏は、夏の間での貿易の不透明感の大幅な緩和をあまり楽観視していないようで、FRBが9月までに利下げに踏み切るだけの明確な見通しを持てるかどうかに疑問を投げかけていました。
金曜日のPCEインフレデータ発表まで、市場は再びレンジ相場に入るリスクがあり、水曜日のFOMC議事要旨はあまり注視されない可能性があるでしょう。
FRBの金融政策に加え、米財政政策の不透明感もリスク資産に重くのしかかっており、とりわけ米株式への影響が大きくなっています。これは、上院の共和党議員たちが、先週下院で僅差で可決された法案について、より大幅な歳出削減を推し進めなければ支持しない意向を示しているためです。
原油は上昇も、ゴールドは再び下落
コモディティ市場では、イランと米国が金曜日にイランの核開発を巡る協議で一定の進展を見せたというニュースによる下押し圧力が、ポジティブな市場心理によって相殺され、原油先物は上昇しました。
しかしゴールドは、貿易緊張の緩和に加え、トランプ大統領の最近の任務がイスラエルとガザ地区のハマス間の停戦交渉であることが少々重しとなり、今週は下落基調で始まりました。