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• 米ドルは上昇幅を拡大、米利回りが再び徐々に上昇し、円も小幅上昇
• 米国経済と米債務への懸念が続く中、株価はまちまち
• NZ中銀が利下げサイクル終了を示唆し、NZドルは上昇、原油はOPECの決定が焦点に
• 本日のFOMC議事要旨とエヌビディア決算が市場心理を改善させるか
脆弱なリスク選好を背景に米ドルと円が上昇
米ドルは、貿易摩擦の最近の緩和を受けて、月曜日につけた1カ月ぶりの安値からの回復を2日連続で試みています。一方で円は、日本の長期金利が再び徐々に上昇したことを背景に、概ね堅調に推移しています。世界経済の見通しに関する相反する材料が投資家を不安にさせ、リスク選好を抑制しているため、世界の株式市場は本日、まちまちの動きを見せています。
先週、米下院で税制・歳出法案が可決されたことを受けて、米国の持続不可能な債務増加に対する懸念が再燃し、その動揺は世界の債券市場にも波及しています。特に日本国債は、世界経済の先行き不透明感が高まる中で、日銀が国債買い入れを縮小しているため、売り圧力にさらされています。
先週、日本の30年債利回りは1999年以来の高水準まで上昇しましたが、日本政府が超長期債の発行削減を検討しているとの観測が浮上したことで、低下しました。しかし本日は、40年国債入札が昨年7月以降で最も低調となったことを受けて、長期金利が再びじりじりと上昇しています。
米上院が、法案を現行の形で受け入れるかどうかを議論する中で、歳出削減やトランプ大統領による減税措置の範囲を制限する決定をしない限り、米政府の過剰な借入に対する懸念は消えそうにありません。
米上院が予算法案に関して歳出削減などの措置を取らなければ、米ドルの上昇は弱まるリスクがありますが、円については、債券市場に再び混乱が生じた場合には、利回り上昇の恩恵を受けて引き続き堅調に推移する可能性が高いと見られています。
タカ派的なNZ中銀利下げでNZドルが急騰、豪ドルも上昇
為替市場では、月次の豪消費者物価指数(CPI)が予想をやや上回ったことから、豪ドルは一時の下落から持ち直しています。これを受けて、豪中銀は今後の追加利下げを検討する際には慎重な対応を迫られる可能性があるとの見方が広がっています。
しかし、最も好調だったのはNZドルで、NZ中銀が0.25%の利下げを決定したものの、追加利下げはあと1回にとどめ、その後は様子を見る可能性を示唆したことで、NZドルは小幅ながら上昇しました。NZ中銀は関税戦争が激化した場合、更なる利下げの可能性はあるとしたものの、今回の会合では市場が予想していたほどハト派的な姿勢でなかったことが投資家の意表をつき、NZドルを押し上げる結果となりました。
FOMC議事要旨に注目
これとは対照的に、FRB当局者たちは様子見姿勢を崩しておらず、本日公表される5月FOMC議事要旨からの新情報はそれほどないと見られています。むしろ、FRB当局者の間で、先行き不透明感がある程度晴れるまで次の利下げを控えるべきだとの強い合意が示されれば、投資家は利下げ観測をやや後退させる可能性があり、これが米ドルの回復の後押しとなるかもしれません。
しかし、主な焦点は金曜日のPCEインフレ指標であり、これが下振れのサプライズとなれば、FRBに対して利下げ再開の圧力が強まる可能性があるでしょう。
米経済指標には今のところ、トランプ大統領の貿易戦争による影響が示されておらず、これがFRBの様子見姿勢をを後押ししています。
米先物は急伸後下落、エヌビディア決算に注目
米消費者信頼感さえも回復しており、これが昨日の米株式の大幅な上昇に貢献し、S&P500とナスダック100はともに2%以上の上昇を記録しました。本日、米先物は下落しており、世界の株式は警戒感を反映してまちまちとなっています。
本日の米株式市場の取引終了後には、AI大手エヌビディアの決算発表が控えており、市場の注目が集まっています。業績が市場予想を下回ったり、今後の見通しに関する懸念は、ハイテク株売りを引き起こす可能性があるでしょう。
ベネズエラの輸出抑制で原油が上昇、ゴールドは下げ幅縮小
リスク選好の後退はゴールド価格にも表れ、ゴールドは昨日の下落分の一部を取り戻し、3,320ドル台を上回る水準まで回復しました。
しかし原油先物は、米国政府がシェブロンによるベネズエラ産原油の輸出禁止を決定したことが好材料となり上昇しています。しかし、OPECプラスの主要産油国が再び増産を決定する可能性があるため、この勢いは長く続かないかもしれません。OPECプラスは本日、閣僚会合を開催しますが、正式な発表は、月例会合が開催される土曜日まで行われない可能性があるでしょう。