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・米高裁によるトランプ関税復活で市場は混乱
・米ドル急落、エヌビディアの好調な決算で米株価上昇
・低調な米経済データでFRB利下げ観測高まる中、本日のPCE指数に注目
・貿易交渉合意への楽観姿勢の中、今週のゴールドは下落か
トランプ関税が一時的に復活
米国際貿易裁判所が、トランプ政権発足以来発動した関税のほとんどに対して差し止めを決定した翌日、米連邦巡回控訴裁判所(高裁)はこの差し止めを一時停止したため、関税を巡って二転三転したこの一週間で、市場はさらに混乱しています。
高裁は、原告に対して6月5日まで、政府には6月9日までに回答するよう指示しています。高裁が関税差し止めの判決反対をトランプ政権に永久的に認めない限り、この訴訟は最高裁まで持ち込まれる可能性が高いでしょう。
関税を巡る騒動で米ドル急落
この国際貿易裁判所による差し止め停止を背景に、米ドルは当初の上昇分以上を還元して急落しており、リスク資産もまた下落基調です。米政権は上院の同意なしに、別の法律を利用して新関税発動を遂行すると示唆していたため、高裁が関税差し止めの一時停止を決定する前から、市場はトランプ関税を巡る騒動の終焉について疑問を呈していました。
トランプ大統領の関税戦争を停止させるために訴訟を起こした中小企業の努力は、結果的には、市場の不確実性が増しただけで、一時的に見せかけの希望を生み出すことになりました。
この高裁の判決によるボラティリティのほとんどは、米ドルに集中しており、米株価はこの状況に関して、いくらか長期的な見方をしていることも興味深い現象です。
軟調な米経済データ続く
しかし、関税を巡る決定だけが、昨日の米ドル下落の要因ではありませんでした。第1四半期の米GDP改定値では、実質消費支出が当初の予想を下回り、コアPCE指数も若干軟調となったことから、米ドルの圧力となりました。さらに、失業保険申請件数は2万4千件まで予想外に増加し、4月の住宅販売保留指数も大幅に落ち込んだことで、FRBが予想よりも早く利下げをせざるを得なくなるのではとの憶測が高まっています。
しかし、サンフランシスコ連銀デーリー総裁が労働市場は「堅調な状態にある」と言及するなど、FRBメンバーの発言にはまだ変化はないようです。
現在の焦点は、本日15:30(GMT)に発表されるPCEインフレ率と個人消費支出価格指数、そしてアトランタ連銀ボスティック総裁とシカゴ連銀グルースビー総裁などのFRBメンバーの発言となります。コアPCE指数や個人支出が予想を下回る場合、米ドルが5カ月連続のマイナスとなる可能性もあります。
東京消費者物価指数上昇で円高、米国との貿易交渉続く
貿易戦争の早期解決への期待が多かれ少なかれ打ち砕かれ、ベッセント財務長官がフォックスニュースに中国との貿易交渉が「やや停滞気味である」と述べたため、昨日の市場にはさらなる失望感が広がりました。
しかし、日本との交渉は順調に行っているようで、ベッセント財務長官は本日、赤澤経済再生担当大臣と本日交渉を行う予定です。今後数日間での合意成立のサプライズが発表される場合、米ドルと日本円ともに押し上げられる可能性があります。特に、日本円は日銀による利上げ観測が高まることから、一層の恩恵となるでしょう。
本日、東京の5月の消費者物価(CPI)指数が2年ぶりの高水準まで加速し、基調的なインフレ率の上昇を示唆したことで、日本円は広範的に上昇しています。また本日、植田日銀総裁が堅調な賃金の伸びについて発言し、今後の利上げが引き続き検討されることが示唆されました。
日本の長期債利回りは依然として若干低下しており、世界的なソブリン債利回りもまた本日低下しています。
関税を巡る混乱の中、米株価上昇
国債利回りの低下は、今週の株式市場にとって多少の安心材料となっており、米株式市場は関税を巡る騒動を一蹴して、今週そして今月は黒字で終わる見込みとなっています。
半導体大手のエヌビディアによる好調な決算報告もまた、米株式市場、特にハイテク株の多いナスダックの回復に貢献しており、昨日の閉場後、デルの決算が予想を上回る売上高を報告したことを好材料として、本日の米株価はさらに上昇する可能性があります。
ゴールドは依然として下落基調
関税を巡る混乱にもかかわらず、全体的なボラティリティは十分に抑制されており、株式市場は慎重な楽観姿勢を維持しているため、ゴールドには重荷となっています。
今月のゴールドは小幅上昇の方向に向かっており、本日は3,300ドルを若干下回った水準で取引されています。
ゴールドは引き続き上昇トレンドラインを上回っているものの、4月以降は高値も下がっています。ゴールドが横ばい相場から逸脱するためには、投資家はおそらく、貿易摩擦の深刻な悪化や新たな貿易協議合意の発表を待つことになるでしょう。