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・トランプ大統領が貿易協定違反で中国を非難
・中国に対して、鉄鋼とアルミニウムの関税を倍増か
・米ドル下落、米株先物は本日の米株式市場の下落を示唆
・安全資産への資金流入でゴールド上昇、OPECプラスの決定で原油も上昇
トランプ大統領は関税へのスタンス強化で米ドル下落
ここ数週間、トランプ大統領が関税を巡って発言を二転三転させているため、米ドルは不安定となっています。先週、EUとの交渉再開と米国際貿易裁判所がトランプ関税の一部を差し止めしたとの報道によって、米ドルは上昇しました。しかし、米高裁によって、この差し止めが停止となり、関税が復活したものの、このニュースはトランプ大統領の権力行使が今後徹底的に精査されることが示唆されます。
しかしながら、トランプ大統領が中国を5月中旬に合意した貿易協定に違反したとして非難し、鉄鋼とアルミニウムの関税を倍に引き上げて50%にすると脅したことから、今週の米ドルは下落基調で始まっています。中国商務省は本日、この非難には「根拠がない」として、自国の利益を守るために必要なあらゆる措置をとることを表明しました。
この騒動から、数週間前に、世界第1位と2位の経済大国である米国と中国が一時的に貿易協定に合意した後でさえも、世界経済を取り巻く環境は依然として不確実であるとの見解が裏付けされています。永続的な合意が成立しない場合、この合意は90日間で失効となる予定であり、トランプ大統領の予測不可能な性格からも、米中間のこれまでの貿易紛争が維持される可能性は高いままです。
市場は未知領域の中で取引を行っており、この米中間の貿易摩擦とともに、FRBウォラー理事理事が今年の後半に利下げを予想しているとの発言もあり、予想利下げ幅が拡大されました。年内の合計利下げ幅は先週0.50%相当だったのに対して、現在は0.55%に織り込まれています。
米株価は下落で開場か、今週の経済データとFRBメンバーの発言に注目
米ドル下落以外に、米株式先物が既に下落しており、本日の米株式市場も値が下がって開場すると示唆されています。米中間の緊張の高まりによって、関税関連の経済的な打撃への懸念が復活しているかもしれませんが、アトランタ連銀によるGDPNowでは、第2四半期での年率成長率は3.8%が示唆されています。これは、ほとんどの関税が一時的に延期された時期における輸入前倒しの結果の可能性もあります。関税を巡る環境が一層複雑となるか、さらなる摩擦が生じる場合は、下半期でのGDP成長率の急速な減速もあり得ます。
本日は、5月の米ISM製造業PMI指数が注目となりそうです。米ISMサービス業PMI指数は水曜日に発表される予定で、金曜日には重要な米雇用統計が予定されています。FRBメンバーはインフレの上振れリスクへの懸念について言及しており、今週のPMI指数のサブインデックス指数である物価指数と賃金の伸びについて、市場は特に注目するかもしれません。
今週は、本日のFRBパウエル議長の講演を含む11人のFRBメンバーの講演が予定されています。
ゴールド復活、OPECプラスの増産量決定で原油価格も上昇
ゴールドはリスク回避の中、大幅に反発しており、5月23日に更新した最高値3,365ドル辺りに向かって上昇しています。この水準を突破すると、5月7日に更新した高値3,440ドル付近まで上昇する可能性があります。
米中間の緊張が高まっているにもかかわらず、原油価格もまた本日は上昇基調です。OPECプラスが7月に、過去2か月と同量の増産を決定したことで、それ以上の大幅増量の予想を混乱させた結果、原油の買いとなりました。
OPECプラスが低価格でも大量増産を決定した一因には、イラクやカザフスタンといった同盟国が、約束した割当量以上の量を引き続き生産していることに対して罰するためかもしれません。カザフスタンは既に減産する意向はないことを表明しており、アナリストが8月にも増産をすると予想する中、特に米中間の関係悪化となる場合は、原油価格の回復は引き続き限定的で短命となるかもしれません。