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・イスラエルとイランの紛争激化
・金曜日の低迷なセッション後、リスク選好度は改善
・米ドルは再び下落基調、ゴールドと原油は上昇分を返還
・今週は日銀やFRBなど、4つの主要中銀による金利政策決定
イスラエルとイランの紛争続く
トランプ大統領による一連の関税に関する言動により、ほぼ3か月半ほど、市場はリスクオフの反応となっていましたが、現在は異なる要因が市場を動かしているようです。先週の金曜日にイスラエルがイランを攻撃して以来、双方日々反撃を繰り返しており、市場は中東での進展を固唾を呑んで見守っています。
こういった小競り合いは、今も続くガザ地区での紛争を引き起こしたハマスによるイスラエルへの攻撃があった2023年10月以降、より頻繁に発生しています。通常、イランの代理を含むイランとイスラエルの間には、短いサイクルが繰り返された後に、西側が介入して、しばらくの間、状況が沈静化します。今回もこのパターンとなる場合、市場の反応もこれまでの段階を踏む可能性があります。
しかし、今回は異なる経過を辿るような様相を呈しています。イスラエル関係者の発言と世界最大の天然ガス田、石油精製所や燃料貯蔵所など、イランの石油・ガスのインフラと施設への攻撃から、イスラエルはイラン政権交代を試みているとも捉えられます。
一方、欧州各国のリーダーは、両国に停戦を呼び掛けていますが、イスラエルとイランが停戦に向けて話し合うにはまだ時期尚早かもしれません。また現在、6月15日から17日にかけて、カナダでG7サミットが開催されていることも注目 されます。おそらく、このサミットにて、中東での状況や関税について、幅広い話し合いが行わることになるでしょう。特に、2018年のG7サミットでの「トランプ対全世界」の有名な写真は、人々の記憶に鮮明に残っています。
イラン攻撃による当初のリスクオフ反応も後退気味
米ドルは、このリスクオンから恩恵を受けて、金曜日に予想外に上昇し、他の主要通貨よりも好調なパフォーマンスとなりました。しかしこの上昇分は、先週前半の下落分を逆転させるには十分ではなく、週次では、ユーロ/ドルは1.4%上昇し、ドル/スイスフランは1.3%の下落となりました。
金曜日のリスクオフのセンチメントは株価にも反映され、米株価指数は、米財務省による20年債入札が低迷となった5月21日以来最悪のセッションとなり、トランプ大統領の提案する税制法案が膨れる米債務に対応できないのではとの懸念が強まることになりました。特に、ドイツのDAX40指数が4月第1週以来の大幅な下落となったことから、先週の米株価指数は、欧州株価指数よりは好調となりました。
反対に、ゴールドと原油は中東での進展に関する報道で急騰し、特に原油価格は急騰して5か月ぶりの高値を更新しました。
本日のリスク選好度はわずかに改善しているようで、米ドルはじり安、原油とゴールドは最近の上昇分の大部分を帳消しにして、ビットコインは再び10.6万ドルまで上昇しています。しかし、このリスクオン反応も、特にイランがホルムズ海峡を閉鎖すると公に脅迫する場合、すぐに反転する可能性があります。
世界の中銀は新たな困難に直面
これらの進展は、今年最も重要な経済イベントを控えている最中に起こりました。明日の日銀政策会合と水曜日のFOMC会合など、今週は4つの主要中央銀行が金利政策会合を予定しています。FRBは、金融政策決定の前に、関税による混乱収拾を待つとの姿勢をこれまで貫いてきました。しかし、原油価格が高騰し続ける場合、実質インフレに影響が及ぶことになり、中東での進展により金利見通しが不透明となる可能性があるため、FRBの任務遂行がさらに難しくなっています。