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• イスラエルとイランの紛争は続く、米国も参戦を検討か
• リスク選好度がやや改善する中、米ドルは下落
• 原油は最近の上昇分を維持も、ゴールドは恩恵を受けられず
• 明日の英中銀会合を前に、ポンドへの圧力は長引く
イスラエルとイランの紛争が焦点
極めて重要なFOMC会合が開催される日の取引は、通常、FRBの金融政策修正の可能性や発言の変化に対する期待が相場を主導します。しかし、イスラエルとイランの紛争が焦点となる中、本日は通常通りにはならないようです。
イスラエルとイランの双方が報復の応酬を続ける中で、重要な問題は、米国がイスラエル側としてこの紛争に加わるかどうかです。トランプ大統領の発言は金曜日以降変化しており、解説者やイスラエルの関係筋は、この地域への米航空機や米艦船の集結状況を根拠に、今後24~48時間以内に米国が参戦する可能性が高いと指摘しています。注目すべきは、もし米国が参戦することとなれば、「現米大統領は戦争を始めるのではなく終わらせる」というトランプ支持者の長年の主張が覆されることになります。
イスラエルが掲げる目標は、イランの核開発能力を完全に排除することですが、イスラエルのネタニヤフ首相は軍事行動によるイラン政権交代も目標しているようです。フランスのマクロン大統領はこのアジェンダに対して、すでに批判していますが、事態はすでに動き出している可能性が高く、中東の現状を劇的に変えるかもしれません。
リスクオフの反応が米ドルの追い風に
昨日のセッションはリスクオフ基調となり、米ドルは全面的に堅調な上昇を見せ、米株式市場と暗号資産市場は圧力を受けました。このセンチメントは一晩で反転し、リスク資産は小幅に上昇しましたが、これまでのところ、以前の損失を完全に回復するには至っていません。
イランがホルムズ海峡を封鎖するリスクが高まる中、現在の市場の動きにおいて主役となっているのは原油で、原油価格は金曜日以降で10%上昇し、他の主要資産を上回るパフォーマンスを見せています。リスクプレミアムの上昇は、オプション取引における予想変動率(インプライド・ボラティリティ)にも反映されており、1カ月物の指標は直近30日間の最高値へと跳ね上がっています。興味深いことに、ゴールドの反応は限定的で、3,365ドルから3,410ドルの狭い範囲で横ばい推移をとなっています。
本日はFOMC会合が開催
こうした動きの中、FRBは本日18:00(GMT)に開催予定のFOMC会合にて政策金利を決定します。今回の会合での利下げは予想されておらず、市場では利下げが実施される確率はわずか1%とされています。現在のところ、最初の0.25%の利下げは10月と予想されています。
本日、政策金利の決定が全会一致となると仮定した場合、恒例のドットプロットと記者会見の両方が大きな注目を集めると予想されます。特に注目すべきは、FOMCメンバーが将来の金利経路の見通しを示すドットプロットが、2025年内に1回の利下げを示すか、または2回の利下げを示すかについて、エコノミストの意見が分かれている点です。
興味深いことに、パウエルFRB議長が現在のバランスのとれた姿勢を維持する可能性は高いと見られています。米経済指標がまちまちの結果となっていることで、今後ややハト派寄りのスタンスに傾く余地は一時的に生まれたかもしれませんが、関税問題の進展や中東情勢の激化により、ひとまずはパウエル議長の選択肢は限定されることになりそうです。
米ドル強気派は、タカ派的な会合内容や、2025年に1回のみの利下げを示すドットプロットを歓迎するでしょうが、米ドルの反応は、これまでの確立された歴史的パターンを覆す最近のトレンドに続いて不透明のままです。過去数日間の中東での進展は別としても、トランプ関税戦略や貿易協定合意の欠如が、今後も米国資産への需要に影を落とし続ける可能性が高いでしょう。
軟調な英CPIで、ポンドは方向性を模索
明日はスイス国立銀行による金利政策決定では利下げが予想されており、利下げ幅には議論の余地があるものの、イングランド銀行は明日の金融政策のスタンスを変更しないと予想されています。まちまちな英経済指標とは別に、本日の英消費者物価指数(CPI)はインフレ圧力のわずかな減速を示しましたが、政策当局者らは英国家統計局(ONS)による一部データに問題が生じていることや、進行中のイスラエル・イラン紛争の激化も考慮に入れる必要があり、明日の決定は一層難しいものとなっています。仮にFRBが本日の会合でハト派寄りの姿勢に転じた場合、イングランド銀行も同様にハト派姿勢に傾く可能性があり、その場合、ポンドの見通しは一層不透明になるでしょう。