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・米国は中国とカナダとの貿易交渉合意示唆で米ドル下落
・トランプ大統領による利下げ要求も米ドルの重荷に
・S&P500とナスダックは最高値更新
・ゴールドは安全資産からの資産流出から調整局面

中国とカナダとの貿易協議に進展
金曜日の米ドルは、米経済データによって、FRBが今年中に金融政策をどのように進めていくのかについて明白とならず、主要通貨に対してまちまちとなりました。
5月のコアPCE指数は前年比で2.7%加速しましたが、個人消費支出については、関税発動前の先取り購入の勢いが後退したことから、予想外に低下しました。したがって、米国と主要貿易相手国との貿易協定合意への楽観的な見方が本日も高まる中、市場はFRBによる年内の合計利下げ幅を引き続き約0.65%相当に織り込んでいます。
ニュース報道では、ホワイトハウスは中国とより永続的な合意成立に近づいており、カナダもデジタルサービス税を撤廃したため、停滞していた交渉が再開される可能性があります。先週の金曜日に、トランプ大統領がデジタルサービス税を巡って、カナダとの交渉を打ち切ったと述べ、カナダドルは大幅に下落しましたが、本日は回復基調です。
中国に関しては、ホワイトハウスは、中国とのレアアースの合意を迅速化するべく署名をしたと発表し、中国政府も法律に則り、輸出許可を発行することを認めました。米ベッセント財務長官は金曜日、中国からの出荷については、これまで定期的に受け入れていた全ての企業に関して迅速化されると述べました。
トランプ大統領は金利1%望む
米ドルが下落幅を拡大した背景には、トランプ大統領がFRBパウエル議長に対して、任期終了前に辞任を望むと新たに批判したことがあるかもしれません。トランプ大統領は金利が1%まで引き下げられることを望み、パウエル議長よりもハト派寄りの人物に交代させる意向を繰り返しました。
トランプ大統領が金利の引き下げにこだわる理由の一つは、現在大幅減税・歳出法案が上院にて審議されており、この税制法案が今後10年間で3兆ドル以上もの国家債務を背負うと予想されていることから、高い借入コストが債務返済を極めて困難にする可能性があるからでしょう。
全体として、関税の進展に関連する米ドルの動きについて変化が生じているようです。4月と5月の段階では、関税への懸念が高まると米ドルは下落し、関税関連にて、市場で安堵感が広がると米ドルは上昇しました。現在は、景気後退への懸念が後退しているため、貿易を巡る展望に進展があると、関税によるインフレ加速によって、FRBが金利をしばらく高い水準で維持せざるを得なくなる可能性が低下することから、米ドルが下落する傾向にあります。
米利下げ観測の高まりで現在価値が上がり、米株価上昇
米株式市場では、NYダウは1%上昇し、S&P500とナスダックは最高値を更新するなど、主要3指数全てプラスで取引を終えました。本日の株式先物も黒字となっており、借入コスト低下への期待によって、将来的な成長機会による現在価値が高くなることから、本日のセッションでも最高値更新が示唆されています。バリュエーションの指標が高いにもかかわらず、株式市場が回復していることは、特にAIを巡って、市場が将来的な成長機会の価値を積極的に織り込んでいることが示唆されます。
ゴールドはドル安から本日反発していますが、全体としては、引き続き弱気の調整局面であることが示唆されています。これは、おそらく、投資家が安全資産の一部を清算して、その分を株式に振り分けようとしているためでしょう。