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・追加国を対象にトランプ関税書簡送付、銅・半導体・医薬品が次の関税リストへ
・米ドルは円を除いて、直近の上昇を維持するのに苦戦
・米国株は下落、欧州株のパフォーマンスを下回る
・本日NZ中銀は金利据え置き決定、豪ドル・NZドルは対ドルで小幅上昇

米ドルは苦戦を強いられる
米ドルは依然として若干の回復の兆しを見せているものの、米ドルに対する短期的な見通しに極めて悲観的な投資家たちの強い抵抗に引き続き直面しています。ユーロ/ドルは1.1720近辺で推移し、ポンド/ドルは直近の4年ぶり高値をわずかに下回る水準で取引されています。しかし興味深いことに、ドル/円は現在急上昇しており、これまで何度も上値抵抗線として機能してきた重要な146円48銭から147円72銭の水準に接近しています。ドル/円は今週1.6%上昇しており、この上昇が維持されれば、2024年12月中旬以来の週足ベースで最大の上昇となります。
関税が引き続き注目の的に
米国資産に対する市場の根強い嫌気の重要な理由の一つとして、先週の米減税・歳出法案承認後、さらに勢いを増しているトランプ関税戦略があげられます。関税を巡る最新の動きとして、銅に対する50%の関税が昨夜発表されました。この重要な銅についての関税発効日はまだ明らかにされていませんが、市場関係者の多くは今後30日以内に実施されると予想しています。同様に、半導体や医薬品にも輸入関税が課される予定ですが、これらに関する追加情報は今のところほとんどありません。
一方で、本日少なくともさらに7か国が「例のトランプ関税書簡」を受け取るとみられています。米政権が引き続き小規模な国々を標的にする場合は、市場への影響は限定的となる可能性が高いでしょう。しかし、EUやインドがこの書簡を受け取るようなことがあれば、市場の反応はそれほど穏やかでは済まないかもしれません。
とはいえ、米株価指数は現在下落基調となっており、伝統的なダウ工業株30種平均が最近の大幅な上昇分の一部を戻し、売りを牽引しています。興味深いことに、欧州の株価指数ははるかに好調であり、ドイツのDAX40指数は今週1.8%上昇しています。
EUについては、米国との一時的な「枠組み」合意が近づいているとの報道があります。これはおそらく、「交渉にはもっと時間が必要」ということを上手く言い換えて表現しているだけかもしれませんが、トランプ大統領は実際の進展の程度にかかわらず、またひとつ「成功」をアピールする機会を逃したくないのでしょう。この手法は、6月初旬に中国との間で交わされた「枠組み」合意と一致しており、米中両国が本当に包括的な合意を目指しているとすれば、この合意に達するためには、まだ多くの詳細を詰める必要があります。
中国の国内事情にも注目
一方、中国は依然としてデフレーションとの戦いを続けています。6月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%の小幅な上昇を示しましたが、生産者物価指数(PPI)は前年比マイナス3.6%下落し、2023年8月以来、最大の落ち込みとなり、デフレ懸念が続いています。消費と投資を活性化させるため、中国国内での追加対策が打ち出されるとの期待が高まっていますが、市場はそうした措置への効果に対して極めて懐疑的な見方をしています。
注目すべきは、トランプ大統領が中国の最新の軟調なインフレ指標を取り上げ、中国が米国と適切な協定を結ぶ必要性を強調し、これにより、世界最大国家間で再び公然とした対立が繰り返される可能性があることです。
トランプ大統領の矛先は引き続きFRBにも
こうした動きの中、トランプ大統領はお気に入りの話題であるFRBを忘れていません。昨日もまた、トランプ大統領はパウエルFRB議長に即時辞任を求め、後任者への道を開くよう呼びかけました。最近の市場の噂では、トランプ大統領の最側近アドバイザーの一人であるハセットNEC委員長がその後任候補者の筆頭に挙がっており、ウォーシュ元FRB理事の名前も挙げられています。ウォーシュ元FRB理事はすでに関税がインフレを助長するというFRBの懸念を一蹴する発言をしています。
本日、6月18日に開催された前回FOMC会合の議事要旨が公表されます。前回会合以来の米減税・歳出法案の承認や関税問題の進展を考慮すると、今回の議事要旨は通常ほど市場に大きな影響を与えない可能性があります。とはいえ、利下げについてどの程度踏み込んだ議論がなされたのかは注目されるところです。
本日、NZ中銀も金利据え置きを決定
豪中銀が予想外の利下げ見送りとしたのとは対照的に、NZ中銀は市場の予想を裏切ることなく、政策金利を3.25%で据え置きました。NZ中銀は比較的ハト派姿勢を維持し、さらなる金融緩和に踏み切る前に、国内情勢と関税の両方についてさらなる情報を待つという豪中銀と同じ選択をしました。豪ドルと同様、NZドルも最近の米ドル高に対抗しようとしています。